年の初めにヒメハジメ!?

 

2002年、元旦・・・。

 

「・・・う〜ん・・・、花桜梨さん・・・・。」

 

夜・・・、俺は密かに想いを抱いている同じクラスの女の子、八重花桜梨さんと遊園地デートを終えて家に帰る途中だった。

いよいよ花桜梨さんのマンションの前に着いてしまい、楽しかった二人きりの時間に終わりが訪れる。

ホントはもっと一緒にいたいけど・・・仕方ない。それに、明日になればまた彼女とは学校で会うことが出来る。

ところが・・・。

 

(ねえ・・・、今夜・・・・あなたと一緒に過ごしたいな・・・。)

 

急に花桜梨さんが俺を真剣な眼差しで見つめると、意外なことを言ってきた。

・・・!?そ、そんな・・・俺も過ごしたいけど・・・いや、でも・・・!

(私のこと・・・嫌い・・・?)

花桜梨さんが俺の事を上目遣いで見ながら不安げに問い掛ける。右手を胸の前に持っていき、きゅっと握り締めている。

その仕草が何とも言えないくらいに可愛くて仕方が無い。思わず抱きしめたくなったが、自制心をフルに利かせて何とか思い止まる。

 

「・・・まさか!嫌いなもんか!!」

(じゃあ・・・どう思ってるの?好き?・・・嫌い?)

「・・・そ、そんな事言えないよ・・・。」

 

普段からは考えられないくらい積極的な花桜梨さんの態度に俺は圧倒されつつ、やっとの思いで返事をする。

しかし、そんな俺の返事を聞いた花桜梨さんはますます俺を追い詰めるような事を言ってきたではないか!

 

(どうして?・・・やっぱり私のこと嫌いなんだね・・・。)

「・・・ち、違う!好きだ、好きに決まってる!!花桜梨さんのこと、大好きだよ!!」

 

ああ、ついに告白してしまった・・・。卒業式までとって置こうと思っていたのに・・・!

でも・・・まあいいか・・・。遅かれ早かれ、花桜梨さんに俺の気持ちを伝える事は確かだったんだし・・・。

花桜梨さんは俺の告白(?)を訊くと、まるで夢でも見ているような幸せそうな表情を浮かべて俺に抱きついてきた。

・・・うわぁ・・・、花桜梨さんって滅茶苦茶いい香りがする・・・!それに何て柔らかくて温かいんだろ・・・。

自分の胸に押し付けられるふくよかな感触に、俺の自制心は一気に限界に追い込まれてしまう。

まずい、まず過ぎる!このままでは頭で駄目と判っていても、カラダの方が・・・!

どぎまぎしている俺から身体を離すと、花桜梨さんは更に驚くべき事を言ってきた。

 

(嬉しい・・・。じゃあ・・・あなたには私のこと・・・全部見せてあげるね。)

・・・へっ!?ぜ、全部・・・って、ちょっと待った!か、花桜梨さんってば!!

(ちょっと・・・待っててね。)

・・・!!!か、花桜梨さん!ここは道路だよ!?いつ人が通るかもしれないのに・・・!!

 

自分の着ているコートを脱ぎ捨て、上着を道路に落とす。そして、真冬の冷たい空気の中にその綺麗な素肌を晒して見せた。

俺は耳まで真っ赤になるのを感じながら、反射的に後ろを向いた。

・・・・見ちゃ駄目だ!見ちゃ駄目だ!!見ちゃ駄目だ・・・っ!!!

必死で自分自身にそう言い聞かせるのだが、花桜梨さんは容赦なく俺の自制心を責め立てる。

まるで誘惑するような声でこんな大胆な事を俺の背中に向けて語りかけてきた。

 

(・・・・お願い、こっちを向いて・・・。恥かしいけど・・・あなたになら見られても構わないの・・・。ううん、あなただからこそ私のことを全部見て欲しいの・・・。)

・・・・うっ、うわああぁぁっっ・・・・!!

もう駄目だ・・・、これ以上は振り向かずにはいられない。

・・・花桜梨さん!ごめんっ!!

俺は覚悟を決めると、一気に彼女の方へ振り返った。

「か、花桜梨さんっ!!・・・って、あれ?」

 

大声を上げて飛び起きると、そこは見慣れたいつもの自分の部屋にあるベッドの上だった。

どうやら、初夢を見ていたようだ・・・が、何かがおかしい。

俺は寝間着の上から股間に何か違和感を感じて、ズボンごとパンツの中を覗きこんでみた・・・すると。

 

「・・・ッ!マジかよ・・・。」

俺は母親に気付かれないように下着を洗濯機に放り込むと、再び部屋に戻って普段着に着替えた。

(・・・・はぁ〜・・・。まさか、新年早々に夢精するなんてなぁ・・・。参ったな・・・。)

最近になってからと言うもの、クリスマスパーティーや期末テスト、部活の引継ぎなど色々な事があってストレスは溜まっていたが・・・。

まさかここまで欲求不満になっていたなんて、我ながら自分の性欲の強さに呆れてしまう。

(最近・・・全然発散していないもんなぁ・・・。溜まってたのかな・・・、俺って・・・。)

 

「何が溜まっているの?」

「!!うわっ!お、お袋かよ・・・。新年早々、驚かさないでくれよ・・・。」

「あんたが一人でぶつぶつと呟いていたからよ。ほら、さっさと顔洗って来なさい。」

 

母親に急き立てられるように歯を磨き、顔を洗って家族と新年の挨拶を済ませた。

その後は朝食を食べて、届けられた年賀状を確認してから必ず初詣に行くのが家の習わしだ。

・・・一昨年は一人で寂しく神社に行ったっけ・・・。去年は花桜梨さんと一緒だったんだよなぁ・・・。

七年ぶりにひびきのに引っ越して来てから、今まで実に様々なことがあった。

幼馴染の光との再会、匠や純との出会い、そして屋上での花桜梨さんとの・・・・・。

何時の間にやら感慨に耽っていることに気付き、俺は気持ちを切り替えようと顔を二・三回横に振った。

・・・・そろそろ初詣に行くかな。花桜梨さんに電話をしてみるか・・・。

電話の所に行き、彼女の家の電話番号をダイヤルしようとしたその時・・・!

ピーンポーン♪

 

「はーい!どちら様ですか?」

 

急いで玄関に向かい、ドアを開けてみると・・・。

 

「明けましておめでとうございます。」

「!!・・・あ、明けましておめでとう。花桜梨さん、こんなに朝早くからどうしたの?」

「新年の挨拶と初詣・・・。もし良かったら、一緒にどうかなって思って・・・。」

 

・・・・うわ〜!花桜梨さんの晴れ着姿だ・・・!

そこには俺がクリスマスプレゼントにあげた水晶のイヤリングを耳に付け、蝶の絵柄のある淡いグリーンの晴れ着姿をした花桜梨さんが立っていた。

その余りの綺麗さに思わず開いた口が塞がらなくなってしまう。

 

「・・・・あの、この晴れ着・・・変かな?」

「・・・!い、いや!すごく似合っているし、滅茶苦茶可愛いよ!」

「ホント?・・・良かった、自分じゃ結構不安だったんだけど・・・あなたにそう言ってもらえると安心できるよ。」

「いや、お世辞抜きでバッチリだと思うよ。」

 

この時の俺は、心底花桜梨さんの晴れ着姿に目を奪われてしまっていた。

花桜梨さんはスタイルがいいから何を着ても大概は似合うのだが、まさかここまでとは・・・!

俺は今朝の夢の事を思い出してしまい、股間が熱くなるのを感じて慌てて意識を切り替えようとする。

 

「ちょっと待って、俺も着替えてくるから。玄関に上がって待っててよ。」

「うん、慌てなくてもいいからね。」

 

俺は幸先の良さを覚えつつ、外出用の服装に着替えた。

着替え終わってから玄関に行くと、花桜梨さんがいない。外に出たのかと思ってドアを開けてみたが、そこにもいない。

・・・・どこに行っちゃったんだろ?

首を傾げていると、居間の方からお袋の笑い声が・・・。

 

「あら、そうなの〜。花桜梨ちゃん、わざわざごめんなさいねぇ。」

「いえ、私の方こそ急に来てしまって・・・。」

「しかし・・・、あいつも見ないうちにやるものだなあ。」

「あなた、何を言ってるの!花桜梨ちゃんに失礼でしょう。」

(・・・・この声は・・・。)

 

居間に行ってみると、お袋と親父、そして花桜梨さんがテーブルを囲んでお茶を飲んでいた。

俺が着替えている間に、すっかり打ち解けてしまったみたいだ。

・・・確かに花桜梨さんって俺よりも年上だし、しっかりしているからなぁ・・・。好感を持たれるのも当然かも・・・。

そんな事を考えながら、俺も花桜梨さんの隣の椅子に腰掛けるとお茶をすすった。

・・・あ〜、美味い・・・。

その後、我に返った俺と花桜梨さんは顔を真っ赤にしながら家を出て初詣へと向かうのだった。

 

神社に着くと、物凄い人ごみが俺たちを出迎えた。

お参りをする前に、この人ごみを通っていかなければならないのだが・・・。

俺はちらっと横の花桜梨さんの表情を窺ってみた。やはり、彼女の表情がどことなく強張っている。

 

「・・・・・すごい人だね・・・。」

「う〜ん・・・、まあ初詣だからね。みんな今年一年を無事に過ごせるようにお参りに来ているんだろうね。」

「・・・私・・・大丈夫かな・・・。」

「大丈夫!俺の傍についていればいいよ。」

「うん、頼りにしているから・・・。」

 

花桜梨さんは俺の服の裾を握ると、にっこりと微笑んでくれた。

・・・よし!花桜梨さんの前に立って、人ごみを突破してやる!

俺は密かに気合を入れて人ごみに突撃した。

迫り来る人の波をちぎっては投げ、ちぎっては・・・と言うことは無理だが、花桜梨さんの手を引きつつ確実に前へ進んでいった。

「な、何とかお参りできそうだね・・・。」

「うん、早速お参りしましょう。」

「・・・・・・。」

「・・・・・・・。」

(・・・・・花桜梨さんと今年も仲良く過ごせますように・・・。)

 

俺はしっかりと願をかけてから、こっそりと花桜梨さんの方を見てみた。

彼女はまだ目を閉じて何かを熱心に祈っているようだ。一体、どんな願い事をしているんだろうか。

願い事が終わってから、俺たちはもう一度人ごみを通って鳥居の前に戻って来た。

 

「帰りはあんまり人ごみが気にならなかったな・・・。」

「そう?花桜梨さんって人ごみが苦手だって言ってたから心配だったんだけど。」

「あなたが・・・傍でしっかりと守っていてくれたから・・・。本当にありがとう・・・。」

「いや・・・、そんな事無いよ・・・。」

 

口ではそう言いつつも、頬の筋肉が緩みまくっているのが自分でも感じられた。

・・・・・今回は今まで生きてきた中で最高の初詣になったなぁ・・・。これから特に予定が無いし、思い切ってデートに誘ってみようかな・・・。

・・・などと思っていると、花桜梨さんの方から俺に話し掛けてきた。

 

「・・・あの、これから予定ある?」

「・・・えっ!?・・・あ、いや、暇だけど・・・。」

「良かった・・・。それなら、家まで来てくれないかな?今日、一緒に初詣に来てくれたお礼に何かごちそうしたいから・・・。」

 

と、言う事で・・・。

俺は花桜梨さんのお誘いを受けて、彼女のマンションへと行く事になった。

花桜梨さんの家には元旦だと言うのにご両親の姿がなかった。

お父さんは海外出張とは前から訊いていたが、お母さんも今日は私用で今朝から留守との事だ。

・・・・正月だってのに、いろいろと忙しいんだなぁ・・・。

家を留守がちにしているご両親に代わって花桜梨さんが夕食の支度をする事もあるみたいだが、寂しくないのだろうか・・・。

 

「お邪魔しまーす。」

「私の部屋にあがってて、コーヒー淹れてくるから。」

 

花桜梨さんはそう言うと、居間の方へと引っ込んでしまった。とりあえず、彼女に言われた通りに部屋に入ってみる。

・・・・これで花桜梨さんの部屋に来るのは二回目か・・・。

そう言えば、この前に来た時に比べると部屋の雰囲気が変わったような気がする。

熱帯魚のいる水槽とかベッドの位置とかは同じなのだが・・・、壁にかけてある洋服などが増えている。

しかも、二年生の時は割りと地味で動きやすい服装だったのだが、今では結構スタイリッシュな服を着てくるようになった。

一年生の時に至ってはデートの時にも制服しか着てこなかったので、本当に劇的な変化と言えるはずだ。

部屋にかけてある服も、白いジャケットに黒いタートルネックのインナー、紫のストールにベレー風の帽子などがある。

・・・・絶対、花桜梨さんって服装によってはOLとかに間違われてもおかしくないぞ・・・。

 

「お待たせ・・・って、どうしたの?」

「あ、いや・・・何でもないよ。それより、今日一日限りで花桜梨さんの晴れ着姿も見納めかぁ・・・。」

「ふふ・・・、あなたが言うなら来年もまた見せてあげてもいいよ。」

「えっ?それってどういう・・・。」

「あっ、コーヒーのおかわりあるから・・・。今持ってくるね。」

 

俺の言葉が最後まで終わらないうちに、花桜梨さんはまるで恥かしがって逃げるように部屋を出て行ってしまった。

・・・う〜ん、今の台詞はどう言う意味なんだろ・・・。ひょっとして・・・いや、まさかな・・・。

それから、俺は花桜梨さんの淹れてくれた美味しいコーヒーを飲んで一息入れた。

会話も盛り上がり、時間の経つのも忘れて二人きりの時間を楽しんだ。

「・・・・あ、もうお昼近くだ。時間が過ぎるのって早いなぁ・・・。」

「何か作ってあげたいけど・・・、私料理とか苦手だから・・・。お菓子でも良いかな?」

「うん?ひょっとして、花桜梨さんの手作りとか?」

「えっと・・・その・・・、うん・・・。料理ってほどじゃないけど、クッキーが焼いてあるの。良かったら食べてくれる・・・?」

(・・・・ラッキー!花桜梨さんが焼いてくれたクッキーが食べられるなんて・・・!)

 

俺が是非食べてみたいと言うと、花桜梨さんは台所から皿に大量のクッキーを乗せて部屋に戻って来た。

・・・うわ、これはまたすごい量だな・・・。

多分、不慣れなお菓子作りをしたものだから、生地の量が判らずに焼きすぎてしまったのだろう。

 

「ちょっと多く焼いちゃったから、沢山食べてね。」

「うん、それじゃあいただきまーす!」

 

俺は皿に乗っているクッキーを片っ端から口に放り込んでいった。

初めて作ったにしては、とても美味しく焼けている。形は丸だったり四角だったり、三角だったりしているが・・・。

花桜梨さんは俺がクッキーを食べる様子を真剣な眼差しで見つめている。

 

「・・・あの、美味しい?」

「もぐもぐ・・・うん、目茶苦茶いけるよ!本当に初めて作ったのかって思うぐらいだよ。」

「ほんと?良かった・・・。頑張って作った甲斐があったよ・・・。」

 

晴れ着姿のまま微笑む花桜梨さんが隣にいてくれたら、美味しいクッキーがますます美味しくなるような気がする。

・・・・あ〜あ、何時までもこうしていたいなぁ・・・。

 

「えっ!?」

「・・・?・・・あっ!」

 

どうやら、頭の中で思った事をストレートに口に出してしまっていたようだ。

俺自身、自分でも何を言ったのか一瞬分からなかった。慌てて花桜梨さんの顔を見ると、顔を真っ赤にして俯いている。

絨毯を指でなぞりながら、何て言えば良いのか分からない顔でもじもじしていた。

 

「・・・・・あ、その・・・何て言うか・・・。」

「・・・・今の言葉・・・本当・・・?」

「・・・えっと・・・。い、いや・・・それは・・・。」

「・・・・・・・。」

 

俺と花桜梨さんの間に妙にぎこちない空気が漂う。

まるで初めて花桜梨さんの部屋に入った直後のような・・・そんな感じだ。

 

「・・・・お、俺・・・ちょっと・・・。」

「ま、待って!」

 

その場の気まずい空気に耐え切れず、俺は思わず立ち上がろうとした・・・・が!

それを引き止めるようにして花桜梨さんが俺の上着を掴んだ。

不意に服を引っ張られて、俺はそのまま花桜梨さんの上に覆い被さるようにして・・・。

 

どさっ!

「きゃっ!」

「うわっ!」

・・・むにゅっ。

 

身体に鈍い衝撃が走ったと同時に、床に俺たちが倒れる音が響く。

・・・・いてててて・・・!・・・ん?この感触は・・・・!?

右手に何か未知の感触を覚え、恐る恐る自分の右手に目をやってみると・・・。

 

「・・・・あっ!!」

「・・・・・。」

 

俺は倒れた際に花桜梨さんの胸を晴れ着の上からもろに鷲掴みにしてしまっていたのだ!

花桜梨さんはどうすればいいのか分からずに、顔を真っ赤にして横を向いている。

 

「ご、ごめん!!」

「わ、私の方こそ、ごめんなさい!急に引っ張ったりして・・・。」

「俺は大丈夫だよ・・・。それよりも花桜梨さんにとんでもない事しちゃって・・・本当にごめん!」

 

俺は花桜梨さんの上から身体をどかすともう一度謝った。

・・・・参ったな・・・、よりにもよって・・・・。

花桜梨さんの方をまともに見られず、彼女の方に背中を向けてどうしようかと思案する。

・・・今日はもうこれで帰った方が良いかもしれないな・・・。あんな事しちゃったら、花桜梨さんだってきっと怒ってるだろうし・・・。

そう決めて、俺はすっと立ち上がって部屋のドアの方へと歩き出した。

すると、慌てたように花桜梨さんが俺の背中に向けて言葉をかけてきた。

 

「ど、どこに行くの?」

「いや・・・、今日はこれで帰るよ・・・。コーヒーとクッキー、とても美味しかったよ。」

「どうして急に帰っちゃうの?・・・ひょっとして、今のこと怒ってるの・・・?」

「えっ?」

「私のせいで気を悪くしたなら謝るから・・・。お願い、もうちょっと一緒にいて・・・。」

「・・・・。」

「お正月なのにお父さんは出張で戻れないし、お母さんも学会の方で急用があるって出かけちゃっているし・・・。一人きりだと・・・寂しいよ・・・。」

 

そこまで言うと、花桜梨さんは俺の背中にきゅっと抱きついてきた。俺は突然の出来事に言葉が出ず、その場に固まってしまう。

けれども俺だって漢だ!花桜梨さんにそう言われたのに、このままさっさと帰る訳にはいかない。

それに、背中越しに感じる花桜梨さんの身体が僅かに震えている。声の調子からしても泣いていることが分かった。

・・・やっぱり、花桜梨さんも寂しいんだな・・・。確かに折角のお正月なのにも関わらず、家で一人きりで過ごすなんて・・・。

俺は花桜梨さんの方に向き直ってこう言った。

 

「・・・・花桜梨さん、分かったよ。俺でよかったら一緒に居させてもらうよ。」

「うん・・・ありがとう・・・。無理言ってごめんね・・・。」

 

花桜梨さんはそう言うと、晴れ着の裾で涙で潤んでいる目元を拭った。

その姿を見ると、俺の心の奥に閉じ込めていた花桜梨さんへの想いが一気に爆発せんばかりに溢れ出してしまった。

・・・もう我慢出来ない!

 

「・・・・花桜梨さん!」

「あっ・・・!」

 

次の瞬間、俺は花桜梨さんをしっかりと抱きしめていた。

愛しくて愛しくて仕方が無い、たった一人の存在・・・。それが花桜梨さんなのだ。

この気持ちだけは何があろうとも抑えきれない。

 

「花桜梨さん、これからは俺が花桜梨さんの傍にいるから・・・。もう寂しがらなくてもいいよ。」

「・・・・**君・・・。本当に・・・本当に私の傍にいてくれるの・・・?」

「うん、俺は花桜梨さんがいないと駄目なんだ。だから・・・ずっと一緒にいたいんだ。」

「嬉しい・・・。」

 

花桜梨さんは頬を桜色に染めて、綺麗な細長の目をすっと閉じた。

・・・この仕草は・・・ひょっとして・・・。

ちょっと顔を上にあげて何かをじっと待つようなこの仕草は・・・一つしかない。

 

「(・・・・花桜梨さん・・・。)」

「・・・・。」

「・・・んっ・・・。」

 

唇が重なり合うだけの簡単なキス。

けれど、それだけの行為に俺は花桜梨さんへの想いを込めてキスを続けた。

彼女の背中に回した手にちょっとだけ力を入れて、自分の方に引き寄せる。すると、驚くほど呆気なく花桜梨さんの身体が俺の胸に重なり合った。

俺とそれほど背丈は変わらないけど、まるで風の様にふわりとした柔らかな感触だ。

今朝の夢で見た時に感じた身体の感触よりもずっと柔らかくて・・・温かくて・・・優しくて・・・。

 

「・・・・んっ。・・・・はぁ・・・。」

「・・・・花桜梨さん・・・、俺は君の事が・・・。」

「・・・待って!・・・今は・・・ダメ・・・。」

 

俺が自分の気持ちを伝えようとした瞬間、花桜梨さんはそれを遮った。

その理由が俺にはすぐに分かったので、それをあえて訊くような事はせずに再び唇を重ねた・・・。

けど・・・キスだけじゃ物足りない・・・・。

唇だけじゃなく、花桜梨さんの全てが欲しかった。

 

「花桜梨さん・・・。その・・・いいかな・・・?」

「・・・・うん・・・。」

 

この願いは拒絶される事なく、自然に受け入れられた。

俺はちょっと安心しつつ、これからする事を考えて緊張していた。俺には今まで女性経験など無い。

初めての相手が花桜梨さんと言う事になる。初めてで上手く出来るか不安だが・・・やるしかない。

 

「えっと・・・俺、初めてなんだ・・・。上手く出来るか分からないけど、一生懸命頑張るから・・・。」

「うん・・・、私も・・・・その・・・初めてなの・・・。・・優しくしてね・・・。」

 

俺は頷くと、花桜梨さんの身体を抱き抱えて優しくベッドに運んであげた。

ベッドの上で、花桜梨さんは晴れ着の帯を解くと床に落とした。

結構、晴れ着を脱ぐのも大変そうだったので俺も手伝ってあげる事にする。

 

「晴れ着姿の花桜梨さんも綺麗だけど・・・、何も着ていない花桜梨さんも綺麗なんだろうね。」

「・・・は、恥かしいよ・・・。からかわないで・・・。」

 

からかったつもりは無いのだが、純情な花桜梨さんらしく顔を赤らめたまま晴れ着を脱いでいく。

そして、とうとう彼女の身体を包んでいた晴れ着がぱさっと床に落とされた。

すると・・・。

いきなり花桜梨さんの真っ白な素肌が俺の眼前に晒される。突然の事で、思わず目が釘付けになってしまった。

 

「あ・・・、着物の下に下着つけないって本当だったんだ・・・。」

「・・・人にもよると思うよ。私は・・・あなたが一緒なんだから、ちゃんとした正式な着方でお正月を過ごしたかったから・・・。」

「そっか・・・、それは光栄だよ、花桜梨さん・・・。」

 

花桜梨さんの気遣いに嬉しく思いながら、裸になった彼女を改めて抱きしめる。

晴れ着を着ている時よりも更に彼女の感触がダイレクトに俺の身体に伝わり、俺自身を熱くさせた。

 

「・・・私だけ裸じゃ・・・恥かしい・・・。」

「そうだね、俺も脱ぐよ・・・。」

「・・・ファーストキスもあなた・・・私の初めての相手もあなたになるなんて・・・何だか夢みたい・・・。」

「はは・・・、俺だって今でも信じられないよ。まさか花桜梨さんとこんな風になれるなんてね・・・。」

 

お互い裸になってしっかりと抱き合う。

俺の胸に花桜梨さんのふくよかな胸が押し当てられて心地良かった。

ふわふわして、まるでマシュマロの様な感触だ。

 

「やっぱり花桜梨さんの身体って綺麗だ・・・。」

「そ、そんなに見ないで・・・。」

「恥かしがる事無いよ、本当に綺麗なんだから・・・。」

 

俺はそう言って、恥らう花桜梨さんの胸に手を当てた。

さっき倒れた時は混乱していてほとんど触った感触など覚えていないのだが、今は違う。

ゆっくりと撫でる様に・・・その手触りや質感を確かめるように花桜梨さんの胸を揉んでいる。

手の平だけじゃなく、指の間にも乳房の感触が広がって・・・。

 

「・・・はぁ・・・、うぅっ・・・んっ・・・!」

「花桜梨さん・・・、気持ちいいの?」

「・・・う・・ん・・・、あなたに触られているから・・・あん・・・、気持ちが・・はぁっ・・・いいの・・・。」

 

今まで体験した事の無い感覚に、俺も花桜梨さんも興奮していた。

俺がやんわりと揉みしだいているうちに乳房全体の張りが出てきて、その頂きにあるピンク色の突起も硬く尖ってきたような気がする。

これが女体の神秘っていうのだろうか?

・・・もっともっと花桜梨さんの事を知りたい・・・感じたい・・・。

 

「・・・・んっ。」

「ひゃうっ・・・!す、吸っちゃ駄目ぇ・・っ!」

 

俺が我慢できずにピンク色の乳首にむしゃぶりつくと、花桜梨さんは軽い悲鳴と快感の声が混じったような声をあげて身体を硬くさせた。

でも、俺は本当に止めるようなことはしないで、夢中になって花桜梨さんの乳首を吸いまくった。

舌で転がしながらちゅばちゅばと吸い込んでみる。俺の口の中で乳首がますます尖っていくのが舌触りで分かった。

こうやって花桜梨さんの乳首を味わっていると、何だか口の中が甘くなってくる様な気にもなってくる。

しばらくの間、俺が両手で乳房を揉みながら舌で乳首を責め続けていると花桜梨さんの手が足元へと動き始めたのに気付いた。

・・・・あれ?どうしたのかな・・・?・・・まあいいか・・・。

特にそれほど気にも留めずに、ひたすら花桜梨さんの乳房を味わっていると・・・。

 

「(・・・・うっ!)か、花桜梨さん・・・!そこは・・・!」

「・・・・あなたばっかりずるい・・・。私だって・・・。」

 

突如、股間に刺激を感じて俺は乳首から口を離すとそっちの方を確認してみた。

すると、花桜梨さんの細い手が俺のいきり立ったモノをしっかりと掴んでいるではないか。

掴んでいるとは言っても、どこかおっかなびっくりと言うか・・・力をあまり入れないようにして持っていると言った感じだが。

 

「・・・すごく熱い・・・。それに・・・あなたの鼓動を感じる・・・。」

「花桜梨さん・・・、もっとしっかりと握ってもいいよ。」

「本当に・・・?・・・それじゃ、痛かったら言ってね・・・。」

 

花桜梨さんは初めて手にしたであろう、男のモノを優しく握ると手に力を込めたり力を抜いたりして揉み始めた。

俺が彼女の乳房を散々揉みしだいたことへの反撃・・・なのかもしれない。

どうすれば俺が気持ち良くなるのか分からないらしく、ペニスを持った手の動きがぎこちない。

そこで、俺は花桜梨さんの手をとって動かし方を教えてあげる事にした。

 

「花桜梨さん、俺の言う通りに動かして・・・。」

「う、うん・・・。」

「まずは握ったままで上に動かして。」

 

花桜梨さんは俺に言われた通りに、素直に手を上に動かす。

 

「次はその手を下に動かすんだよ。あとはその繰り返し。」

「こ、こう・・・?」

「・・・っ!・・・そ、そうそう。動かす速さとかを適当に変えながら続けてくれればいいよ。」

「分かった・・・、やってみるね・・・。」

しこ・・・しこしこ・・・しゅこ・・しゅこ・・・。

 

・・・き、気持ちいい〜・・・!

花桜梨さんは顔を赤くしながらも、俺を気持ち良くしてくれようと一生懸命に手を上下に動かしてくれている。

そんな姿が初々しくて・・・あと、花桜梨さんにしてもらっている興奮からあっと言う間に射精の衝動がこみ上げてしまう。

一番の理由はこれが初体験という事なのだが。

・・・や、やばい・・・!このままじゃ花桜梨さんの手の中に・・・!

俺は少しでも長くこの快感を味わいたかったので、必死になって我慢していたのだが・・・。

こっちの限界が近い事など知るはずも無い花桜梨さんはひたすら手淫を続けて俺を射精へと誘う。

 

「花桜梨さん・・・!も、もう出るから手を放して・・・あっ!」

びゅっ!ぴゅくっ!どぴゅどぴゅっ!

「きゃっ!」

 

僅かにタイミングが遅かった・・・。

花桜梨さんに限界を告げるや否や、俺は強い快感と共に花桜梨さんの手淫を受けたまま果ててしまった。

大量の精液が彼女の右手はおろか・・・、お腹や胸にまでべっとりと飛び散ってしまっている。

俺が射精する瞬間、花桜梨さんは短い悲鳴を上げて、びっくりした様子で俺の射精の様子を見つめていた。

・・・確かに・・・、初めて見る男の絶頂と言うものがこんなに唐突なら驚くのも無理はないだろうな・・・。

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・!」

「・・・すごい勢い・・・。これが・・・射精って言うんだよね・・・?」

「そうだよ・・・。それより、汚しちゃってごめん・・・。花桜梨さんにしてもらったのが気持ち良すぎて・・・。」

 

俺は花桜梨さんの身体に精液をぶちまけてしまった事を謝って、ティッシュを取ろうと身体を動かした。

・・・・今朝の夢は・・・初夢になったんだな・・・。

ふとそんな事を思い、俺は思わず苦笑してしまった。

一方、花桜梨さんは俺がぶちまけた精液を恐る恐る指で触っている。

 

「・・・・男の人の精液って・・・ぬるぬるしているんだね・・・。それに、何だか変な匂いがする・・・。」

「待ってて、今拭き取ってあげるから。」

 

花桜梨さんのお腹や胸に飛び散った自分の精液をティッシュで丹念に拭き取っていく。

けれど、胸に付着した精液を拭こうとしたら・・・。

 

「あっ・・・!く、くすぐったいよ・・・。」

「ちょっと我慢して、すぐに終わるから。」

「あんっ!・・・そ、そこは駄目っ・・・!」

(・・・・。)

 

花桜梨さんが余りにもくすぐったそうに身をよじるものだから、俺の中にむくむくと悪戯心が沸き起こる。

・・・ちょっと悪戯してみようかな・・・。

俺は胸に付いた精液を拭き取りながら、彼女のおへそを舌でこちょこちょとくすぐった。

 

「・・・ひうっ!?そ、そこは・・・っ!」

「花桜梨さんのおへそ・・・小さくて可愛いよ。」

「ひゃうっ・・・!はあぁっ・・・んっ・・・!」

 

舌をおへそから下腹部の方に這わせていき、そのまま薄っすらと茂った恥毛を掻き分けて割れ目をなぞる。

花桜梨さんのその部分は今までに経験した事の無い女性特有の匂いを漂わせていた。

舌で舐めてみると、奥の方からどんどん透明な液が溢れ出てくるのが分かった。

以前、オカズネタとしてエッチな本を読んだ時にそういった描写がされていたが、いざ実物を見るとやっぱりびっくりしてしまう。

・・・・うわ、花桜梨さんのここ・・・どんどん濡れてくる・・・。

 

「花桜梨さん、どんどん溢れてくるよ・・・。ほら、もうこんなになってる・・・。」

「はぁうっ・・・んんっ・・んあぁぁっ・・・!」

 

俺は夢中で湧き出てくる花桜梨さんの愛液をすすり、舌を愛液が出てくる部分に差し入れた。

要領とかは良く分からないけど、とにかく夢中で・・・夢中になって舌を使うことしか俺には考えられなかった。

 

「はぁ・・・ッ・・あぁん・・・!だ、ダメ・・・っ!」

「・・・ぐちょぐちょになってるよ、花桜梨さん・・・。」

ちゅくっ、ぬちゅちゅ・・・!

「あんっ・・・!・・・あぁん!・・お願い・・・!ひうっ・・・!それ以上されたら・・・っ!んんっ!お・・おかしくなっちゃう・・・っ!」

 

胸を弄っていた手をトロトロになっている花桜梨さんの大事な部分に当てて、ゆっくりと擦ってみる。

濡れた音と花桜梨さんの嬌声が交じり合って、興奮しまくっている俺の心はすぐに魅了された。

・・・もっと、もっと花桜梨さんのエッチな声を聞きたい・・・。

そう思って、指の動きを早めつつクリトリス・・・だろうと思われる突起を吸いながら、舌先で転がした。

 

ちゅっ、ちゅるるっ!

「ああああっ!!だ、だめっ!だめえぇぇっ!!」

 

その時、花桜梨さんが一際高い声を上げて身体を弓なりに反らした・・・と、思ったらすぐにがっくりと身体をベッドの上に預けて脱力してしまう。

・・・ひょっとして・・イッちゃったのかな・・・?

はぁはぁと荒い息を吐いている花桜梨さんが心配になり、念の為に声をかけてみた。

 

「花桜梨さん・・・大丈夫?」

「はぁ・・・はぁ・・・、うん・・・大丈夫・・・。」

「えっと・・・、そろそろいいかな・・・?」

「・・・いいよ、今なら・・・あんまり痛くないかもしれないし・・・。それに、あなたの事を信じているから・・・。」

 

遠まわしに挿れてもいいか聞いてみると、花桜梨さんは健気に微笑みながら俺の頼みを受け入れてくれた。

しかし、初めて女性の中に挿れるので、すぐにその位置を定める事が出来ない。

・・・・落ち着け、落ち着くんだ・・・。

自分にそう言い聞かせると呼吸を整えて、花桜梨さんの膣口にペニスの先端をあてがう。

 

くちゅ・・・。

「・・・あっ!」

「ご、ごめん!痛かった・・・?」

「だ、大丈夫・・・。ちょっと緊張しちゃって・・・。」

 

やはり処女を失う事への恐怖と不安が、花桜梨さんを緊張させているみたいだ。よく見ると、彼女の白い身体が僅かに震えている。

男には絶対に分からない破瓜の痛み・・・。

俺に出来るのは花桜梨さんの緊張をほぐして、出来る限り痛みを抑える手伝いをしてあげる事くらいだろう。

 

「花桜梨さん、落ち着いて・・・。俺に全部任せていいから・・。」

「うん・・・、ありがとう・・・。」

ちゅっ、ちゅうぅぅっ・・・。

 

花桜梨さんの頬や首筋に自分の想いを込めて何度もキスをする。

唇を当てるだけじゃなく、少し彼女の肌を吸って俺のキスの跡が残るようにした。

花桜梨さんの白い肌に薄っすらとキスの跡が浮き出てくる。彼女が色白な分、俺が残したキスの跡がはっきりと確認できるのが好都合だった。

 

「花桜梨さん、君の緊張がほぐれるように俺がおまじないをしたから・・・。もう大丈夫だよ・・・。」

「えっ?おまじない・・・?」

「そう、おまじない。あとで鏡を見れば分かるよ・・・。」

「よく分からないけど・・・、何だか嬉しい・・・。」

「じゃあ、身体の力を抜いて・・・。どうしても辛かったら言ってくれればいいから。」

 

俺はそう告げると、改めて挿入の用意に入った。狙いが外れないようにしっかりと確認して・・・。

・・・行くよ、花桜梨さん・・・!

 

ずっ、ずぶぶぶ・・・!

「ひッ・・ううぅんっ!!」

「花桜梨さん、まだ我慢出来る・・・?」

「・・・・。」

 

花桜梨さんは返事をしないで首をこくこくと縦に動かして意思を俺に伝えて見せた。

声にはあまり出さないものの、相当に辛いのだろう・・・。

・・・ごめんよ、花桜梨さん・・・。

ある程度まで突き進んでから、亀頭に何かが当たるのを感じて腰の動きを止めた。

・・・・これが話に聞く処女膜って奴だろうな・・・。

いよいよ、ここから先に進めば俺と花桜梨さんは完全に一つに結ばれる。

だが、花桜梨さんにはその瞬間に想像も出来ない苦痛を味わわせてしまう事になってしまう。

出来るならば大好きな女性(ひと)を痛い目に遭わせたくはないが、この試練を乗り越えないと何時まで経っても俺たちは一つになれないのだ。

 

「花桜梨さん、行くよ・・・。」

「うん・・・、来て・・・!」

ずっ・・・!ずぶぶぶっ!!

「ああああぁぁっ!!」

 

俺は一気に腰を沈めると花桜梨さんの処女膜を貫き、彼女の胎内奥深くまでペニスを突き挿れた。

流石に悲鳴を抑えられず、俺の背中に回した両手に力が篭る。

痛みに涙をはらはらと流しながらも、『痛い』の一言も発しない花桜梨さんの健気さに今まで以上に彼女が愛しく思えてならない。

・・・・・このまま腰を動かしたら、きっと花桜梨さん辛いだろうな・・・・。

しばらくこのままの体勢で、花桜梨さんの痛みの波が治まるのを待つことにする。

しかし、ペニスを包み込む媚肉の締め付けと温かさ・・・それに興奮も重なって、じっとしているだけで果ててしまいそうなくらい気持ち良かった。

 

「・・・・どう?まだ辛いかな・・・。」

「だ・・・大丈夫だから・・・。動いてもいいよ・・・。」

「うん・・・。」

ずっ・・ずっ・・・、ずぶ・・・ずぶ・・・ずぶっ・・・。

 

俺は花桜梨さんに負担をかけないように、慎重に腰を動かし始めた。

花桜梨さんの胎内で俺のペニスと彼女の媚肉が擦れ合って、それがとてつもなく気持ちいい。

勢いに任せて激しく腰を突き動かしたい衝動にも駆られたが、破瓜の痛みに必死に堪えて俺を受け入れてくれている花桜梨さんの顔を見ると・・・。

やはり、いくら興奮していてもそんな事が出来るはずもない。

 

ずぷ・・・ずぷ・・・ずぷぷ・・・!

「うっ・・・くっ・・・!はぁ・・・ッ・・・んんっ・・・!」

「花桜梨さん・・・!とても気持ちいいよ・・・!」

「んっ・・・!はあぁぁ・・・、うっ・・くっ・・・!」

じゅぷ・・・じゅぶっ・・・、ぬちゅ・・・ずちゅ・・・!

 

俺のペニスが花桜梨さんの中に出入りする音が室内に繰り返し響き渡る。

結合部からは愛液と処女を失った証の経血が混じり合ったピンク色の液体が流れ出ている。

 

「花桜梨さん・・・!花桜梨さん・・・!」

「はぁぁ・・・!あくっ・・・!ふあぁ・・っ!」

ずぶ・・・ずぶっ、ぐぷっ・・・ぐぷぷっ・・・!

「花桜梨さん・・・!も、もう・・・そろそろ出そうだ・・・!」

 

初めて経験する女性の身体に、そんなに耐えられるはずもない。

花桜梨さんの膣に優しく・・・きつく締め付けられて、俺はもう射精寸前だった。

・・・・も、もう駄目だ・・・!抜かないと・・・!

射精が近い事を感じた俺は花桜梨さんの胎内からペニスを引き抜こうとしたのだが・・・。

 

「んっ・・・!ま、待って・・・!はぁ・・・っ!このまま・・・で・・・!」

「で、でも・・・。」

「お願い・・・!今日は・・・大丈夫だから・・・んんっ!・・・中に出して・・・!」

「・・・っ!だ、出すよ!」

 

花桜梨さんの言葉を聞いて、俺は限界まで堪えていた緊張を解き放った・・・瞬間!

どぴゅっ!どびゅっ!びゅくっ・・・びゅくっ!

射精の快感に腰をがくがくと震えさせながら、俺は溜まりに溜まった全ての精液を花桜梨さんの胎内に放っていた。

 

「ああぁぁっ!熱い・・・!一杯出てる・・・!」

「・・・うぅっ・・・!花桜梨さ・・ん・・・!」

 

俺が全てを出し終えて、そのまま花桜梨さんの胸の上に身体を預けると、彼女もうわごとの様に感極まった声を上げてぐったりとしてしまった。

ぼんやりとする意識の中で、目の前で花桜梨さんの呼吸に合わせて大きく上下する形の良い乳房が何だかエロチックに見えた・・・。

「・・・!俺・・・寝ちゃってたのか・・・。」

「・・・・。」

 

気がつくと、時計の針は既に午後3時を過ぎていた。

丁度、お昼頃に花桜梨さんとセックスを始めたはずだから・・・、二時間くらい眠ってしまっていたようだ。

花桜梨さんは俺の隣で可愛らしい寝顔を見せてくれている。

俺たちが眠っている間に花桜梨さんのお母さんが帰って来なくて本当に良かったと思う。

こんな所を見られたら、流石に洒落にもならない。

・・・と、その時。

 

「・・・んん・・・。」

「あ、花桜梨さん・・・。起こしちゃったかな?」

「・・・ううん、何だか急に目が覚めたから・・。それより・・・、ありがとう・・・。」

「えっ?」

「・・・優しくしてくれて・・・。初めての相手があなたで本当に良かった・・・。」

「俺の方こそ花桜梨さんが初めてで良かったよ。その・・・何て言うか、すごく嬉しかったよ・・・。」

 

そう言うと、花桜梨さんの身体をしっかりと抱きしめた。彼女の柔らかな胸の感触が伝わり、俺の股間を再び疼かせる。

・・・あ、やばい。さっきあれだけ出たのに・・・。

どうしてもそっちの方は抑えられず、正直に出てしまうのが男の性(さが)と言うやつだ。

花桜梨さんもそれに気付いた様子で、ちょっと苦笑しながら俺の耳元でこう囁いてきた。

 

「・・・・もう元気になってる・・・。男の子ってすごいんだね・・・。」

「はは・・・、花桜梨さんが魅力的だから・・・。」

「・・・嬉しい・・・けど、そんな事言われたら恥かしいよ・・・。」

 

花桜梨さんは口ではそう言いながらも、半勃起した俺のペニスを優しく握って上下にしごき立ててきた。

最初に俺が教えた通り、上手に手淫をしてくれている。

・・・・やっぱり、花桜梨さんって可愛いし健気だなぁ・・・・。

 

「花桜梨さん、そう言えば・・・さっき俺がしたおまじないだけど、見てみたい?」

「えっ?・・・うん、どんなおまじないなのか気になるし。」

「じゃあ、そこに置いてある鏡を見てよ。」

 

花桜梨さんは俺のペニスを持ったまま、片手で近くのテーブルに置いてあった置き鏡を取って覗き込んだ。

鏡には花桜梨さんの首筋に残ったおまじないの正体・・・キスマークが幾つも映っている。

 

「・・・・あっ!これって・・・。」

「どう?はっきり残ってるでしょ?」

「・・・・もう!これじゃあ外に出かけられないよ・・・。お母さんにも見つかったらどうするの・・・?」

「ごめんごめん、ちょっと強く吸い過ぎちゃったかな。」

「・・・・でも、許してあげる。」

 

俺が謝ると、花桜梨さんはすぐににっこりと笑って許してくれた。

それに、何だか嬉しそうな感じだ。

俺が不思議に思ってその理由を訊いて見ると・・・。

 

「・・・・だって、あなたがしてくれた『おまじない』だからだよ・・・。」

「か・・・花桜梨さんっ!」

「あっ・・・!」

・・・どさっ!

 

頬を赤らめて恥かしそうに呟いた花桜梨さんの表情を見た瞬間、俺の中で何かが弾けた。

俺は花桜梨さんを抱きしめて、そのままベッドに押し倒してしまった。既に彼女の手の中で俺のペニスは完全に元気を取り戻している。

花桜梨さんとの幸福な時間はまだまだ続きそうだ・・・。

 

【完】

あとがき

毎度どうも、ATFです。

まずは花桜梨さんの純愛処女モノのリクエスト作品の一発目と言う事で、初詣ネタを・・・。

初詣イベントをどう言う風にネタにしようか考えたんですが、こんな感じになりました。花桜梨さんはゲームでは晴れ着を着てくれないんですよね・・・。

データとしては残っているのに、勿体無い限りです・・・。

ご意見・ご感想等ございましたら、どうぞお気軽にお願いします。

それでは、また・・・。



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