初夜〜八重花桜梨〜
「花桜梨、お待たせ!」
6月の上旬、初夏を感じさせる晴れ渡った日。
俺は中央公園の出入り口で待っていた恋人の八重花桜梨に声をかけた。
高校時代に知り合い、三年生の最初の日曜日に過去の衝撃の告白を受けて以来、かなり仲が進んだが、結局恋人同士になるには卒業式を待たねばならなかった。
ちなみに今日で、恋人同士になって3ヶ月目になる。
「ううん。そんなに待ってないよ…」
花桜梨はいつものように、清楚で儚げな微笑を俺に向けてくれる。
煌く大きな二重の瞳が、さらに花桜梨の美しさを強調するのだ。
「今日はきれいに晴れたね」
俺は花桜梨の手を取り、空を見上げてそういった。
花桜梨もうれしそうに俺の手に柔らかい花桜梨の手をからめてくる。
「こんな晴れる日も、あと少しだろうね…もうすぐ、梅雨が来るし」
雲ひとつない青空を見上げて、花桜梨は眩しそうにそう言った。
「でも梅雨が明けたらもう夏さ。また海にでもいこう」
俺がそう言うと花桜梨は黙って微笑んで、俺の手を引くように先を切って並木道に向かい歩き始めるのだった。
「八重桜の葉桜、きれいだったね」
日の暮れた中央公園のベンチで、俺と花桜梨は今日のデートを振り返っていた。
あのあと、並木道をゆっくり散歩してなじみの喫茶店に足を伸ばし、また中央公園に戻ってきてその日一日を費やし、公園を一周して春から夏への季節の変わり目を存分に楽しんだ。
「うん…桜って散ったあともああも美しく葉を茂らせるんだね…なんだか、うらやましいな」
クールな外見とは違い、詩的な感覚をもち合わせた花桜梨は、今が盛りの、街頭に照らされた葉桜を見てそんな言葉を漏らした。
「…うらやましがることなんて、ないよ…」
俺はそっと花桜梨の肩を抱き…桜を思わせる色をした、紅も差していないくちびるに優しくそっと口付ける…。
花桜梨も拒否しない。
俺の首に細い腕を回し、俺のキスを優しく受け止めてくれる。
30秒ほど、花桜梨の柔らかく温かい唇を味わった。
「花桜梨のほうが、よっぽど綺麗だ。それも、散ることのない八重桜…」
俺の言葉に、花桜梨は頬をまるで桜のように桃色に染めてこう言った。
「ありがとう…でも…散ることがないことはないわ…女が綺麗でいられる間なんて長い人生のうちでほんの一瞬…。それも…その綺麗と思わせる花を咲かせてくれたのはあなた…いつも、感謝してる。ありがとう…」
今度は花桜梨からの口付け。
甘く、とろけるようなメルティキス。
花桜梨の口の中に、俺の舌を侵入させる。
…花桜梨はそれを拒絶しなかった。それどころか積極的に俺の舌に花桜梨の温かい舌を絡めてこようとしてくる…。
もう、我慢できない…。
「…花桜梨が、欲しい」
俺はポツリと花桜梨に伝え、ことさら強く花桜梨の細い体を抱きしめた。
これだけ激しく、花桜梨が欲しい、抱きたいと思ったのはこれが初めてだ…。
恐る恐る、花桜梨の反応をうかがう。
花桜梨は黙ってうん、とうなづいてくれた。
学校を卒業してからすぐに就職した俺は、一人暮しをはじめた。
さすがに保証金と謝礼を払うだけの金は卒業当時の俺になかったから、両親に借金という形でそれを出してもらい、マンションの一室を借りることができた。
一人暮しの割に玄関は綺麗に片付いており、男の一人暮しの家にはありがちな異臭なんかはもちろん漂ってこない。
俺が綺麗好きなのもあるだろうが、毎日花桜梨がここに来てくれて、掃除や洗物をやってくれているおかげでもある。
「さ、入って」
先に花桜梨を促すと、花桜梨はお邪魔します、と遠慮がちに声を出して靴を脱ぎ、家の中に入った。
俺も後を追うように、玄関のかぎを閉めダイニングキッチンへと足を運ぶ。
俺は冷蔵庫を空けながら花桜梨に何を飲むか聞いた。
「そうね…じゃあ、オレンジジュース…」
「了解」
俺はガラスのコップを二つだし、冷えたオレンジジュースをそれに注いだ。
「…はい」
「…ありがとう…」
お互いのどが乾いていたのか、あっという間にコップの中のオレンジジュースはなくなり、不自然な沈黙が続く。
「…あの…俺、シャワー浴びてくるね…」
俺がそう言うと、花桜梨は顔を真っ赤にして首をこくりとだけ縦に振った。
(…いよいよ花桜梨と、か)
今、花桜梨はシャワーを浴びにいっている。
子供じゃないんだし、中央公園でのやり取りの意味がわかって花桜梨はここについてきたのだろう。
…俺も男だから、何度か、花桜梨のあの美しい…と思う…肢体を思い浮かべて自慰に耽ったりしたこともある。
(うまく、やれるかな…)
恥ずかしながら、俺は女性経験がない。
中学校のときはそんなに女の子の友達もいたわけじゃないし、高校のときは花桜梨以外の女の子のことなんて考えられなかった。
その花桜梨とは高校時代は中途半端な甘く、居心地のイイ位置にいつづけたのだから…。
ただ、今思い起こしてみると、慌てて恋人になるより、それでよかった気がする。
友人という視点から、花桜梨をじっくりと見ることができたし…それは花桜梨も同じだろう。
そんな花桜梨と、今晩とうとう…。
そんな時、シャワールームから彼女が出てきた気配がした。
…ドクン、ドクンと胸が高鳴る。
……初めてのときは緊張してしまい、起たなくなることもある人がいるそうだが、俺のものは花桜梨の抜群のスタイルを知らず知らず想像してしまい、トランクスの上からでもわかるぐらいに膨張してる。
そんな心配はなさそうだった。
「…お待たせ」
花桜梨はセミロングの髪をしめらせ、バスタオルをその美しい肢体に巻きつけたまま、俺の部屋に入ってきた。
俺はそんな花桜梨のバスタオルを優しく脱がせ、いつものように両肩を抱きしめながら可憐なくちびるにキスをする。
しばらく舌を絡めあう濃厚なキスをしたあと、少し花桜梨との距離を置き、お互いの視線をみつめあう。
すると花桜梨はポツリとこういった。
「…初めてなの…。優しくしてね…」
「花桜梨も?俺もなんだ。よろしく…」
俺がそう言うと、花桜梨はちょっと安心したのか、ほっと息を漏らした。
そのあと、花桜梨の瞳になぜか憂いの光が宿る。
「…はじめてが私なんかでいいの…?あまり満足させてあげられないかも…」
優しい花桜梨は、そんなことまで心配してくれていたのだ。
思わずぎゅっともう一度花桜梨を抱きしめてしまう。
花桜梨の双丘が、俺の胸板に感じられる…。今までも感じたことがなかったわけでもないが、今以上に花桜梨の体温、感触、香を感じたこともなかった。
「花桜梨こそ…俺でいいの?」
「もちろん…放さないでいてね…」
花桜梨はやっぱり初体験の不安があるのか、俺の手をぎゅっと握り締めた。
俺は優しく花桜梨をベットに押し倒し、もう一度その唇を奪う。
ちゅぴっ…ちゅぱっ…とエッチな感じのする音が、部屋中に響き渡った。
しばらくお互いの舌をむさぼりあい、俺はそのままその舌を花桜梨の耳たぶ…首筋…そしてその豊満な乳房に移動させる。
そして禁断の果実を扱うように、花桜梨の胸をていねいに揉みしだく…。
やわらかいいとしか、言いようがない。
…花桜梨の胸の代わりの表現が、どうしても見つからない…。
花桜梨の胸の触り心地は、この世のどんなものよりも気持ちいい、としか言いようがないだろう。
「花桜梨のおっぱい…大きくて綺麗だ…」
俺は世辞抜きで花桜梨の胸を誉めて、そのピンクの乳首に舌を這わせる。
「あんっ…」
花桜梨の口から、初めて甘い声が漏れた。
…感じている、と思ってもいいのだろうか。
花桜梨の乳首は、俺の口の中でどんどんとがって、硬くなってきている…。
「…気持ちいいの?」
俺は花桜梨に尋ねてみた。
「…そうなのかな…よくわかんないけど…くすぐったいのはちょっと違う感じ…」
そんなものなのかな…とちょっと疑問に思いつつ、俺は花桜梨の乳首への愛撫を再開する。
ちゅぴちゅぴとしゃぶり、ぺろぺろと舌で乳首を転がしてみたり…。
ちょっと、歯で甘噛してみたり。
こりっ。
「あんっ!か、噛まないでよぉ…」
「ごめんごめん。痛かった?」
「…痛いのじゃないけど…なんだがすごく恥ずかしい…」
あさってのほうを向いて顔を真っ赤にしながらいう花桜梨。
…花桜梨って、綺麗なだけじゃなくてこんなにかわいかったんだ…。
「じゃあ、ちょっと花桜梨の体さわるの、やめようか」
俺がそういって花桜梨から少し離れると(手はもちろんつないだまま。放さないでいてねって言われてるし)花桜梨は切なそうな顔をしたが、それ以上はとくに何も言わなかった。
俺はトランクスを脱いで、花桜梨の綺麗な顔のもとまで持っていく。
「花桜梨、よかったらフェラチオしてくれない?俺ばっかり花桜梨にさわってるのも悪いでしょ?」
花桜梨はしばらく俺のマックスまで勃起したペニスを眺めていたが、やがて意を決したようにうん、とうなずくと、おずおずとそれを握り締めてくれた。
花桜梨の繊細な指が、俺の欲望の塊を優しく包んでくれる…。
「こ、こうかな…」
花桜梨は恐る恐るかわいらしい舌を伸ばして、俺のペニスを舐め始めてくれている。
ぺろっ…ぺろっ…ぺろ…
うっ…女の子の…いや、花桜梨の舌ってこんなに温かくて…。
「花桜梨…すごく気持ちイイよ。もっと続けて」
その言葉に花桜梨はちょっと大胆になって、俺のペニスを舐めつづけてくれた。
亀頭を重心的に舐めてくれて、指で睾丸を刺激してくれて……。
そして、それをぱくっと咥えこんでくれた。
「か、花桜梨…」
「おほほのほっへ、ほうふるほきもひひひんでひょう(男の子って、こうすると気持ちいいんでしょう)…?」
俺を気持ちよくしてくれようと必死なのか、俺のペニスを咥えこんだまましゃべる花桜梨。
積極的なのは三年目になってから出てきたものではなく、もともとからの性格のようだ。
花桜梨が懸命に俺を気持ちよくしてくれてようとする音が、花桜梨のくちびるから鳴り響く。
ちゅぱっ…ちゅぱっ…ちゅぱっ…。
花桜梨は懸命に俺のペニスをしゃぶり、ときたま様子をうかがうように上目遣いで俺を眺める。
その表情がたまらなく愛しい思いを心のそこから滾(たぎ)らせる…。
その愛しい思いは、激しい射精感となって俺に襲いかかってきた。
あっ…もうだめっぽいな…!
「花桜梨、もう出そうだから…いったん放すよ」
俺がそう言うと花桜梨は切なげにくちびるからペニスを放した。
「ぷはっ…気持ちよかった…?」
「すごく…あっ、もう出る!」
俺は近くにあったティッシュでペニスを包むと、そこに花桜梨の顔と胸を見ながら、思いきり射精した。
…普段のオナニーなんか、比べ物にならないぐらいの射精感が俺を襲い、膝をがくがくさせてしまう。
「…あとしまつぐらい、私がしてあげたのに…」
俺の射精を見ながら、花桜梨はちょっと不満そうな声をあげた。
「え…そうだったの?花桜梨も初めてだからやっぱりそう言うの、嫌かなとおもって」
「そりゃあ…エッチな本とかでしてるみたいにいきなり顔にかけられたりしたら、それは嫌だけど…ティッシュでとってあげるぐらいならしてあげられるよ…」
ぷう、とふくれて花桜梨はあっちを向いてしまった。
子供扱いされた、と思っているのかもしれなし、信用されてないと思ったのかもしれない。
「ごめん、花桜梨…決して花桜梨を信用してなかったり、子供扱いしたわけじゃないんだ…」
俺はちょっと下を向いて謝って見せる。
すると花桜梨はいつものように笑ってくれた。
「うふふっ、別に怒ったわけじゃないよ。気使ってくれたの、私知ってる。ありがとう…」
でも、次の射精は私に手伝わせてね、といって花桜梨は俺とくちびるを合わせる。
今度は、俺の番だ。
さっきと同じように優しく胸を揉みしだき…反対の手を花桜梨の誰も触れたことのない秘部に侵入させる…。
「あっ…」
あっ…女のコってほんとに…。
「…花桜梨、濡れてるね…お風呂上りで湿ってるだけじゃないよね」
その間にも、俺は花桜梨に秘部をくちゅくちゅと刺激している。
…これでいいのかな?
でも花桜梨、気持ちよさそうに顔を上気させて…。
「あんっ…あなたの…おちんちんにえっちなことしてると…すごく興奮しちゃって…あんっ!」
「花桜梨って、案外エッチなのかもね」
俺は花桜梨にベットであおむけになって、といってみる。
花桜梨は言われたとおりにあおむけになってくれた。
そして、俺は花桜梨の長くて綺麗な脚の間に顔をうずめ…。
「ああんっ!そ、そんなところ汚いし…恥ずかしいよぉ…」
「花桜梨のココ、汚いどころかすごく綺麗だよ。花桜梨も俺にしてくれたじゃない。恥ずかしいこともないって…」
そう言って俺は花桜梨の穢(けが)れない秘部を、舌で丹念になぶる。
ちゅぱっ…くちゅっ…ちゅぴっ…くちゅくちゅっっ…
「ああんっ…恥ずかしい…恥ずかしいよっ!あんっ!」
花桜梨はそう言ってるけど…俺が舐めはじめてからすごい量のエッチな液があふれ出てきている。
…さっき出したばかりなのに…強烈な性欲と…花桜梨への支配欲が押さえきれないほど俺を後押しする。
「…花桜梨、俺のを…花桜梨のココに入れたい…」
いったん舌で責めるのをやめ、花桜梨の純潔をつんつんと指でつつく。
花桜梨はしばらくはあ…はあ…と荒い息をついていたが…。
「うん…覚悟は、できてるよ…私、信じてる…」
花桜梨は、エッチが始まってからずっと握っている俺の手を、今までで一番強い力を入れて握る。
「優しくするからね」
俺はさっき花桜梨の口でイッたにもかかわらず、もうマックスを取り戻しているペニスを握り…花桜梨の純潔にそれをあてがった。
そして…それをできるだけ…。
「痛いッ!」
…?
花桜梨は俺がまだ何もしていないにもかからわず、そう悲痛な声をあげた。
「花桜梨、俺まだ入れてないよ…?」
「えっ…?そんな気がしたんだけど…」
「緊張しすぎてるね…」
俺はいったん入れるのをやめ、花桜梨の胸をむにむにと揉みしだきはじめた。
「あ…あんっ…ごめんなさい…なんだか邪魔したみたい…」
「そんなことないよ。じっくり花桜梨とエッチ、楽しみたいし」
しばらく胸を揉みしだき、キスをしてちょっと落ち着いたのを見計らってから、俺はまたペニスを握って花桜梨の秘部にあてがう。
「行くよ?」
花桜梨はやっぱり不安げに俺を見つめて、コクンとだけ首を縦に振る。
…処女幕が破れる痛みは、男には残念ながら想像もできないし、その痛みを共有することもできない。
神は、女には愛しい男を受け入れるための試練をそのカラダに与えたのだ…。
そして、その痛みを花桜梨にも体験させなければいけないのだ…。
(ゴメンッ!)
俺は思わず目をつぶって謝ってから、花桜梨の秘部…らしいところにペニスを思いきり突っ込んでしまった。
「ひぎぃっ!…っ…!」
花桜梨は最初に悲鳴を発してから、俺に気を使わせるまいと歯を食いしばって悲鳴を出すまいとしているようだ…。
「か、花桜梨…痛い?痛いなら抜こうか…?」
…前言訂正。男はまったく痛くないわけじゃない。愛しい女(ひと)の…この苦痛の表情が、鋭い爪となって俺の心を引っ掻き回す…。
「だ…大丈夫…でも…出来るだけゆっくり動かして欲しいな…」
花桜梨は涙目にも笑顔を浮かべて俺にウインクを送ってくれた…。
「…無理しないでよ…いつでも抜くから」
俺は出来るだけゆっくりと…それでも花桜梨を味わうかのように…腰を動かし始める。
ぐちゅっ・・・ぐちゅっ・・・ぐちゅっ・・・
「うぐっ・・・あ・・・うっ・・・」
性器がこすれあっている部分からは、花桜梨の愛液と血液が交じり合った液体が、とりとめなくシーツに零れ落ちていっている。
処女膜は一度のセックスですべて破けるわけではない…と聞いたことがある。
(ごめん、花桜梨…俺だけ気持ちいい思いして…)
俺は声にはださす、心の中で精一杯花桜梨に謝る。
こんなことをいうと、もっと花桜梨に気を使わせると思ったからだ…。
事実、花桜梨の中は…あったかくて、気持ちよくて…ずっとこの中に入れていたいと思わせるような快感が俺を絶え間なく襲う。
少し腰を動かしただけなのに、二回目だというのに、もう俺のペニスは限界を知らせていた。
「花桜梨、抜くよ…?」
さっきまで苦痛でゆがめていた顔を、また無理に笑顔を浮かべて俺に微笑みかけてくれる。
出来るだけそっと、俺は花桜梨からペニスを抜いた。
「あぐっ…」
「大丈夫…?」
「う、うん…あ、そうだ…今度出るときは手伝わせてねっていったよね…」
花桜梨は、ほんとは痛くて痛くて体を動かすのも億劫だろうに、限界を知らせているペニスに手を添えて…はむっと口に含んでくれた…。
「花桜梨…?」
花桜梨は黙って俺を見上げて、ちゅぱちゅぱとペニスに快感を与えてくれる…。
「あっ…出るから…!」
そういっても花桜梨は、その可憐なくちびるからペニスを放そうとしない。
「…汚いよっ!」
そういっても、花桜梨は放してくれなかった。
どびゅっ!どびゅっ!どびゅっ!
結局、花桜梨の可憐な口の中で俺のペニスは白濁液をぶちまけてしまった。
さらに驚いたことに…。
ごくんっ!
えっ…
「花桜梨…飲んじゃったの…?」
俺がびっくりした顔で花桜梨の綺麗な顔をまじまじと眺めていると、花桜梨はにっこり微笑んで、こう言ってくれた。
「汚くなんかないよ…あなたのだもの…」
「花桜梨…」
あまりの愛しさに、俺は花桜梨をぎゅっと抱きしたまま…。
「ZZZ…」
柔らかい感触が、俺の体に伝わった。
そして聞こえるかわいい寝息。
ふと、壁にかけてある時計を覗く。
日付が変わって、間もない時間だった。
…ああ、思い出した。
花桜梨から処女を捧げてもらって…花桜梨がフェラチオしてくれて…出た精液を飲み干してくれて…多分、そのまま気絶するように眠ってしまったんだ。
なんて俺は情けない男なんだ。
…花桜梨もあきれてそのまま寝てしまったのだろう。
「花桜梨…」
寝顔も愛しくて、俺は花桜梨のセミロングの髪を梳(す)くようにそっと撫でた。
「…むにゃ?…どうしたの…?」
「あ、花桜梨。起こしちゃったみたいだね」
「ううん…ほんとは起きていようと思ったんだけど…あなたとひっついていると落ち着いちゃって寝ちゃった…」
「花桜梨って、ほんとに優しいね…」
俺はそういって、花桜梨におはようのキスをする。
「ごめんね、痛い思いさせて…」
俺はこちらに花桜梨を抱き寄せて、まずそう謝った。
「ううん。誰だってはじめては痛いって言うし…あなたが初めてでほんとによかったと思うの…。それに…多分、ちょっとづつだけど、気持ちよくなってくると思う…」
「そうなるとイイね。花桜梨といっしょに気持ちよくなって…愛し合いたいな」
俺と花桜梨はもう一度くちびるを求め合い、微笑みあうとゆっくりと明くる朝まで眠ることにした…。
(終)
あとがき:リク…といっていいんでしょうか。とりあえず花桜梨の処女純愛ものを。
久しぶりに純粋な純愛物を書いた気がします^^;;
しかしここのところ書くのが早くて調子がいいですね^^
年が明けても(多分年内にもう一本ぐらい掲載できると思いますが)、この調子でいきたいものです。
感想批評、お待ちしています。
ソースケ