サ・ビ・シ・イ・・・ノ・・・?〜第一話〜

 

「花桜梨。八重…花桜梨。それじゃ…」

そういって、私は声をかけてきてくれたアノヒトと別れた。そう、風の吹くあの屋上で。

まさか、電話がかかってくるなんて、思いもよらなかった。

会う約束はしたけど…どうしても、その時会う気にならなかった。

留守番電話に…一言だけ謝罪の言葉を残して、私は逃げたのだ。

それなのに…また、アノヒトから電話がかかってきた。

…どうして、私に構うのだろう。無視されてまで。

その疑問を解くために、今日は出かけることにした…。

 

私は約束した10分前に来ていた。約束の場所の水族館の前。

男の子と、個人的に二人きりで会う。世間から見ればデートの約束というやつなのかも、知れない。

しかし…私のやる気の無さは、服装を見てもらえればわかるだろう…ひびきの高校の制服に、ネクタイ。

それが今日の私の服装。洒落っ気も、何も無い。

今日は、雨。ざざぶりの、雨。

ふと下を見ると、誰が見ても冷たく見える二重で切れ長の目と、

くせの強いボブカットが水溜りに映し出される。

私は傘もさしていない。

制服が濡れて、下着が透けて見える……。

濡れても、下着が見えても、構わない。どうせ…

 

(いや…なにするの!先輩!ほどいて!!)

(ふふふ…八重さん。イイかっこうじゃない。これが何だかわかる…?)

(封筒…?まさか!?)

(そう…ワタシ今月苦しいのよね、男に貢ぎすぎちゃって…それであなたに協力してもらおうと思ってね♪)

 

「あ、八重さん。待たせた…!?どうして傘も差していないの!?」

彼が、来た。

屋上で声をかけて来た彼。

「…私の勝手でしょう…」

意図的に冷たい視線で、私は、彼に言う。

「そりゃそうだけど…」

困った顔で彼は言う。…あきれて帰ってくれないかな…

「まあ、いいや。冷えただろう?早く中にはいろう」…ふう…

 

 雨のせいもあるだろうが、日曜日だというのに中は人影がまばらだった。

 現に私たちのいる熱帯魚の水槽の前にも、誰もいない。

 どれくらい熱帯魚を眺めてボーっとしていたのだろう。

「八重さん」

 彼が二つコップを持って私の後ろに立っていた。

「…なに」

「あ、これ。冷えるだろうと思って。冷房もちょっと効いてるし」

 彼は私から見て右手のコップを差し出した。

「…ありがとう」

 私は素直に礼をいってそれを受け取った。中身は熱いグリーンティだった。

 よかった。コーヒーだったら、私はブラックしか飲めないから…。

「熱帯魚を熱心に見てたね。好きなの?」

 彼はそんなことを聞いてくる。

「まあ…そんなところ…」

私はグリーンティを少しずつ飲みながら適当に返事する。…それからしばらく、不自然な沈黙。

そして、私は全部のグリーンティを飲み終えた。

「…ご馳走様。…そろそろ、帰りたいんだけど」

知らないうちにたれていた頭を彼に向け、静かに…冷たい声でそう告げる。

「え…?その…今日誘ったの、迷惑だった…?」

彼がそう聞くのも、わからないでもない。

誰だってせっかく誘ったのに、こんな態度を取られたら、そう感じるだろう。

私はそれに答えなかった。逆に、彼に聞いてみる。

「…どうして私を誘ったの…?」

「そ、それは…」

 彼は口篭もり、一瞬のちにこう言った。

「キミに…一目ぼれしたんだ。綺麗で儚げなキミに」

「…そう…嘘も世辞もいいから」

そんなことば、嘘に決まってる。信じられるわけがない。

私は黙って、ベンチから腰を浮かせた。

「ほんとだよ!嘘でも、世辞でもないよ!」

立った私を、彼は近くにあった大きな柱の影に押しこんだ。

しばらく私を見つめる彼。

綺麗な瞳。でも、危険な欲を感じさせる瞳。不思議な瞳だった。

そして大きく息を飲んで…

「何回…妄想のなかでキミをこうしたか…」

彼は私の濡れた制服の上から手を入れて、ブラジャーごしに胸をもみしだき始める。

湿った衣服の冷たさと、彼の手の暖かさが胸に奇妙な感覚を与える。

私は、声も出さなかった。

抵抗もしない。

ああ…なるほど、そういうこと…。

そう思っただけだ。

私って存在は、結局こういう使い道しかないんだな…。

彼はなにも言わずに、私の両方の乳房…入学式直後の身体検査では86センチだった…をかなりの力でもみしだきはじめた。

そして私の唇に自分の唇を重ねる。

そして…。

んっ…

つい、声が洩れそうになる。彼の親指と人差し指が、乳首をきゅっ…とつまんだ感覚がしたからだ。

彼は無言で私の乳房と乳首を責め立てる。

かわいげはないが、私も女だから…刺激されると…その…体のほうは快楽と受け取ってしまう。気持ちは、そんなに乗ってこないが。

自分で乳首が痛いほどしこっているのがわかった。

「感じてくれてるんだね…嬉しいよ、八重さん」

彼は小声で私のみみもとで囁くと、左の乳房から手をのかして…雨でびしょびしょに濡れたスカートの中に手を入れてきた。

彼は私の秘部をなぞるようにして刺激した。

「あん…」

 耐えられなかった。何度も、何度も、弄るようにしてそこをなぞる。

(おい、こいつほんとは感じてるじゃないか?)

(ほんとに処女だったのかよ、信じられねえなあ)

(淫乱って、こいつのことを言うんだぜ!ほらほら、花桜梨、もっと腰使えよ)

 熱い…、体が火照るように熱くなってきて…

「あ…八重さん濡れてきてるね。雨のせいだけじゃないね…」

「あ…あん…ふわあ!」

彼の指が、私の中に入ってきた。

思わず、膝を曲げて前かがみになってしまう。

くちゅ…くちゅ…と私のスカートの中から、卑猥な音が周りに響き渡る。

その音を聞いているのは、優雅に泳ぐ水槽の中の熱帯魚だけだ。

彼の私の体への責めはまだまだ続きそうだった。

左手で私の乳房をもみしだき、唇で反対の私の乳首を責めて、右手で私の秘部の中をかき乱してゆく。

ふにゅふにゅと私の乳房がいやらしく彼の手の動きに合わせて形を変える。

チュパチュパと淫卑な音を立てて私の乳首が鳴いている。

くちゅくちゅと音を立てていた私の秘部は愛液が多く分泌されて、さらに卑猥な音を奏でている。

…あんなことが、前の学校であって…いま、私はまたこういう目にあっている。

拒否する気にもならない。一度、犯された体だ…。

責められて、感じる。犯されて、感じる…私は男の人からこういうことをされるを望んでいるのかもしれない。嬉しいのかもしれない。

誰でもイイのか…なんでもイイのか。

誰でもイイ。なんでもイイ。

私がすがるのは、もうこの快楽しかないのかもしれない。

「あ…あん!ああん…!はあ…んっ…」

自分でもはしたないと思う声を、私は水族館に響かせた。

私の『女』の部分のすべてを、彼は巧みに責めたてている。

 

ぬちゅ…ぬぷぷ…くちゅ…くちゅ…

 

「っ…!」

き、気持ちいい…。

頭がボーっとしてきた……。

最近、1日一回は、感じないと気がすまない感覚…エクスタシー…を、私は信じられないほど短い時間で迎えた。

声を出さなかったのは、奇跡に近い自制心のおかげだった。

「八重さん、イったでしょう?」

彼は責めを中断することなく、私に問いかける。

その恥ずかしい問いにぼーっとしていた私はこくんとだけうなずいた。

「顔真っ赤にして…かわいいよ」

いったん乳首への口責めをやめて、彼は私の耳たぶをぺろりと舐めた。そしてまた、私に唇を重ねる。

「もうおれも我慢できないよ…」

彼はいったん、私への責めを全部中止した。

うずいた。体が。欲しい、って…。早く、欲しいって…。

彼は股間のファスナーを下ろし、苦労してそこから大きくなりすぎたペニスを出した。

「見て、八重さんのせいでこんなに興奮しちゃってる…キミが魅力的だからイケナイんだ」

彼の手が、私のスカートの中に再び伸びる。今度は下着をするりと脱がせてしまった。

恥ずかしいとも、思わなかった…。私も、彼のモノを見て興奮していたから…。

柱に私を押さえつけるようにして、彼は私の太ももを持ち、足を広げるようなかっこうで私を持ち上げた。

そして、スカートを挿入の邪魔にならないようめくる

「八重さんもグチョグチョだね…」

その言葉に私はさらに興奮を覚える。辛うじて、『早く入れて』という言葉だけは胸に閉じ込められた。

彼の熱いペニスが、私の秘部に侵入してくるのが、わかった。

ツプ…という音を立てて。

ペニスが半分ぐらいまではいっただろうか。一番じれったい位置だった。

自分で腰を動かしたいのを、なんとか我慢する。

早く、それを激しく動かして!

私の秘部と彼のペニスが奏でる卑猥な音が聞きたいの。突き抜けるような快感が得たいの…。

「八重さん…イクとき、花桜梨って呼んでもいいかな…?」

律儀な人だ。私が拒否しなかったとはいえ一般的に見ればレイプしてるも当然な女に。

「…いいけど」

なんとか、冷たい感じの言葉が出てくれた。ほんとは『なんでもいいから、早くして!!』と叫び散らしたかった。

やっと、彼が腰を動かし始めた。

 

パン…パン…パン…パン…

 

グチュ…ヌチャ…ヌチュ…グプッ…

 

彼の腰の振るスピードが速くなるたび、私の秘部が奏でる卑猥な音も旋律を上げてゆく。

「は…あん…あ…あん!あん!あああん!!」

ここが水族館だなんて、もう意識の中になかった。それは彼も同じだっただろう。花桜梨…花桜梨…って何度も私の名前をつぶやきながら、制服の上から乳首を舌で刺激する。

 たまらない刺激。快感!

 

パンパンパンパンパンパン!!

 

グチュ!クチュ!クチュ!グチュ!グプッ!グプッ!

 

淫美の旋律が最高潮を迎える。

私は、限界だった。さっき指と舌でイカされたところなのに、私の淫乱な体はぜんぜん満足していなかった。

彼も限界は同じようだった。

「か…花桜梨さん、イキそうだよ、俺!」

 息声で彼が言う。

「…はあん…あん!な、中は…ダメ。あん!む…胸にかけて…!んんっ!」

私が、先にエクスタシーを迎えた。

その一瞬あとで彼がペニスを私の秘部から抜く。

ヌチュ!と最後の卑猥な音の句読点。

ほんとは余韻に浸っていたかったのだが…彼も本当に限界だったようだ。

 

ドビュ!ドビュ!ドビュ!!

 

私を優しく床に下ろすと手でペニスをしごいて私の制服の胸のところにびっくりするほどの量の精子をかけた。

 勢いあまって顔とスカートにもついてしまう。

「こ…こんなに精子出たの初めてだよ…花桜梨さんが綺麗だから…ほんとに好きな人としたからかな…」

私は返事の代わりに、顔についた彼の精子をぺろりと舐めた。

 

「ごめん…あんなことして」

 あれから彼は商店街のブティックにいって新しい服を買ってきてくれた。

「…あれで満足したの」

「ほんと、ごめん!!警察に訴えてくれてもいい!慰謝料出せっていうんなら償えるだけ償うよ…」

彼は私の前で土下座して、そういった。

優しい人なのかも、しれない。ほんとに私のことが好きで…あんなことをしたのかも、しれない。

…でも…まだ完全には…信じられない…。

だから…

「…いいよ。…私も、気持ちよかったし…」

「え……?」

 彼は呆けた顔でそういった。

「…またデートに誘って。……じゃ、ここで…さよなら」

そういって私は彼と別れて帰路についた…。


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