LOVE SUMMER VACATION in 沖縄

                                一日目









<ひびきの空港にて>

「花桜梨、用意は出来てる?」

「うん、大丈夫だよ。着替えも旅行券も持ったし、忘れ物は無いはずよ。」

「ホテルのチケットはあるよね?」

「これでしょ?大丈夫、ちゃんと持ってるよ。」

花桜梨は俺に飛行機のチケットとホテルの予約券を見せながら、笑顔でそう言った。

「よし!じゃあ飛行機に乗り遅れないように急ごう!」

「うん!」

俺と花桜梨は伊集院邸でアルバイトした際に貰った給料(20万円)を使って二人で沖縄旅行をすることになっていた。

バイト内容は、家事雑用などであったが、泊り込みになってしまうほどの重労働だった為に、予想以上に給料をもらう事が出来たのだ。

高校卒業後、正式に恋人同士として付き合う事になった俺たちは、大学生生活最初の夏休みを思い出深いものとする為に色々考えた。

その結果、今回の沖縄旅行を計画したという訳だ。

しかも、普通の旅行じゃとりえが無いと言う事で、沖縄の高級リゾートホテルに二泊三日で宿泊する事にした。

俺たちが付き合い始めて最初の旅行と言う事で、花桜梨は朝からとても張り切っていた。

何せ、若い二人が二人きりで旅行だ。そりゃ、俺も漢だからあれこれと妄想してしまうし、ハメを外してしまうかもしれない。

何とか理性が保てるように頑張りたい。まあ・・・運命はなるようになると言うから、場合によっては・・・・・。

・・・・・・・・・・・それは、まあいいや・・・。

ともかく、沖縄での甘いひとときを満喫すべく、俺たちを乗せた飛行機は空港を飛び立った。











<沖縄にて>

「気持ちいい・・・。」

「流石は沖縄だね。自然の感じが強い気がするね。」

「あっ、それって高校生の時に私があなたに言った台詞だよ。」

「そうだっけ?」

「うふふ、もうあれから二年が過ぎたんだよね・・・。時が経つのって早いんだね。」

「そうだね・・・。まあ、時間は二度と戻らない分、思い切り今を楽しまなきゃね!」

「うん!じゃ、ホテルのチェックインの時間も近いし、早速ホテルに行きましょう。」

「ああ、そうしよう。」

俺と花桜梨は、空港の駐車場に停まっていた送迎バスに乗ってホテルへと移動した。

バスの車内から外を眺めると、本州には無い植物が道路の両脇などに植えられている。まさに南国と言った感じだ。

俺は花桜梨と外の景色を眺めながら談笑しつつ、バスに揺られて沖縄の雰囲気を楽しみ始めた。

どれくらい走ったのかはよく覚えていないが、気が付けばバスはホテルの玄関前に到着していた。







<リゾートホテルにて>

「凄いホテル・・・・。何だかいかにも高級リゾートって感じだね。」

「う〜ん、パンフレットよりも高級に見えるのが本物のすごい所だよね・・・。」

俺たち二人はホテル内の高級な雰囲気に圧倒されつつフロントに行くと、部屋に案内してもらった。

「うわ〜、すごい眺めだな・・・!」

「綺麗な海・・・。早く泳ぎたいなぁ・・・。」

「そう言えば、このホテルはプライベートビーチがあるってパンフレットに書いてあったな。ホテルからすぐ海に行けるんじゃないの?」

「本当?じゃ、早速水着に着替えて海に行きましょう。私、何だかワクワクしてきちゃった!」

「じゃあ、準備をしようか。」

「うん。私、着替えてくるね。」

「ああ、じゃあ俺もここで着替えて待ってるから。」







卒業後、花桜梨はすっかり明るくなって、かなり積極的な性格になった。最近では、俺の方がリードされている感じだ。

彼女が一つ年上と言う事もあるかもしれないが、それよりもむしろ、解放された花桜梨の本当の性格がもともと明るかったのが一番の要因だろう。

花桜梨は持ってきた水着(どんなものかは知らない)に浴室の隣にある脱衣場で着替えている。

ドアを隔てた向こう側から、たまに衣擦れの音が聞こえてくる。

俺は思わずよからぬ事を考えそうになって、慌てて頭を切り替えた。

「(それにしても・・・花桜梨って顔は綺麗だしスタイルはいいし、気は利くし・・・いい娘だよなぁ・・・。

そんな娘が俺の恋人だなんて、今でもなんか信じられないよな・・・。)」

・・・・・おっと、花桜梨が着替え終わったようだぞ・・・。果たしてどんな水着なのか?かなり気になるな・・・。

「・・・・・お・ま・た・せっ!」

「・・・・!!!」

花桜梨の水着姿を拝まされて、俺は絶句した。度肝を抜かれて声も出ないとはまさにこの事だ。

「あ・・・、やっぱり・・・変・・・かな・・・?」

花桜梨は俺が呆然としているのを見て、少ししょんぼりとしてしまう。

俺は慌てて気を取り直すと、彼女を誉めて誉めて誉めまくった。

「凄い!めちゃくちゃ可愛いよ!!綺麗でよく似合ってるし、最高にセクシーだよ!」

「あ・・ありがとう・・・嬉しい・・・。」

花桜梨はもじもじしながら顔を赤らめて、俯きがちになる。

そんな風に照れる所がまた可愛い。

しかも、花桜梨の着ている水着は今まで・・・つまり高校生の時に来ていた白い水着ではなく、もちろんスク〜ル水着でもない。

色は少しピンクがかった、新しいビキニタイプの水着だった。

俺は思わず生唾を飲み込んでしまった。

背中を冷や汗が流れ落ちる。沖縄の暑さもあるのだが、それだけではない。

「あ、そう言えば新しい水着だね。何時の間に買ったの?」

「実はね・・・この旅行を決めた翌日にあなたに内緒でこっそり買ってきたんだよ。驚かそうと思って・・・。」

「!!!(そうか・・・・そうだったのか・・・!)」

俺は改めて花桜梨の水着姿を眺めた。スタイル抜群の彼女のビキニ姿は俺の思考を捉えて離さない。

恐らくビーチに出れば、俺以外にもビーチにいる漢達を悩殺してしまうだろうな・・・。

さてと・・・そろそろビーチに行って泳ぎに行くか・・・。

「花桜梨、早速ビーチに行こう。」

「うん、そうしよう。」











<プライベートビーチにて>

「・・・・!お、おい!あそこにいる娘、見てみろよ!」

「うっひゃ〜!すげぇな!美人だしスタイルもいいし最高じゃん!?」

やはり、俺の予想は当たった。

花桜梨がビーチに出た瞬間に、周りの漢どもの視線を釘付けにしてしまった。

「(うわ・・・!周りにいる男どもなんか、みんな花桜梨の方ばっか見てるじゃないか・・・。花桜梨以外にも可愛い娘はいるのになぁ・・・・。)」

俺はそう言った周りの雰囲気を感じつつ、ビーチに来ている宿泊客の様子を見ていた。

女性だけで来ているグループも多いようで、何人かが波打ち際でビーチボール遊びをしている。

一瞬俺は、あの女の子の輪に混じって遊びたいと考えてしまったのだが、花桜梨がいるのだからそんな事できるはずが無い。

むしろ、そんな事を考えては花桜梨に失礼だし、贅沢と言うものだ。

しかし、悲しいかな俺も漢だ。どうしても俺の頭の中で女の子のグループについてあれこれと考えを巡らしてしまう。

「(あの日焼け具合から見ると・・・地元に近い所に住んでいるのかもしれないな・・・。なかなか可愛いし・・・。)」

「どうしたの?」

俺が周りを見回している事に不思議がって、花桜梨が話し掛けてきた。

「いや、何でも無いよ。いい景色だから、しっかりとまぶたに焼き付けておこうと思ってね。」

「ふ〜ん・・・そうなんだ。」

「な、何か言いたそうだね?」

「私はてっきり、他の女の子の水着姿を眺めていたと思ったんだけど・・・。」

「そ、そんな事無いよ・・・・。(す、鋭いな・・・!)」

「その態度からすると、図星みたいだね・・・。水着姿の女の子を眺めていやらしい想像とかしてたんでしょ?」

「(・・・・・・・。)」

うぐ・・・、厳しいツッコミだな・・・。女の勘・・・と言うやつだろうか。

このまま行ったら、数ヵ月後には俺は花桜梨の尻に敷かれっぱなしになってしまうかもしれない。

以前、現代の女性は強くなって来たとワイドショーで聞いた事があったが、花桜梨の場合は格別だろうな・・・。

実際に今の自分を客観視すると、漢が弱くなって来たという言葉にも頷ける。

・・・・・・・・そんな事はどうでもいい、俺の態度に『む〜。』っとした顔の花桜梨の機嫌がこれ以上悪くならないように早く海に入った方が良さそうだ。

「そ、それよりも早い所泳ぎ始めようよ。せっかく沖縄に来たんだから、思い切り楽しまないと損だよ。」

「そうか・・・、そうだよね。この事は、今夜ゆっくりと聞かせてもらうからいいよね。」

「・・・。」

俺は、『今夜ゆっくり〜』というところでギクッとしたが、とりあえずその場は上手く収まったのでよしとしよう。







海に入ると、暑い太陽の日差しも全く気にならなくなる。

花桜梨は嬉しそうな顔をしながら、海に入ってこっちを見ている。

おや?俺に手招きをしているぞ。こっちに来いって事か?

「花桜梨!どうしたの?」

「沖まで競争しない?流れがきつくならない程度の所まで・・・どうかな?」

沖まで競争か・・・・。そう言えば幼馴染の光と初めて海にデートに出かけた際にも、同じような事を言っていたな・・・。

まあ・・・、光とたまにデートをしていた事は花桜梨には内緒にしているのだから、そんな事は知らないだろうが・・・・。

「よし、やってみよう!」

「私、泳ぐのは好きだよ。だから、少し自信があるんだ。」

「そう言えば高校の時に、水泳の授業でとても速く泳いでいたっけ?」

「うん、私たちが知り合ってからそんなに日が経っていない頃の事だよね。あなたが応援してくれた時はちょっと意外だって思っていたのよ。」

「それって・・・?」

「だって・・・知り合ってからもそれほど話とかしていなかったし、私って人と接する事を避けていたから・・・。」

「そっか、確かに知り合った時もいきなり声をかけて、それからも俺の方からどんどん話し掛けていたからね。」

「でも・・・、今思うとあなたのそう言うところに私は惹かれたんじゃないかって思うの。優しくて、思いやりがあって・・・。」

花桜梨は波に揺られながら、懐かしそうな表情で俺の方を見ている。

その瞳はまるで吸い込まれてしまいそうなほど美しかった。

花桜梨の魅力をこう言ったところに感じられてならない。やはり、俺は何だかんだ言っても花桜梨の事が好きなんだと改めて実感する。

このまましばらく花桜梨の顔を見ていたかったのだが、流石にそれは照れくさい。

俺は花桜梨の傍まで泳いで近づくと、花桜梨を促して競争を始めた。







「(流石に速いな・・・!光が泳ぎで負けただけある・・・!)」

花桜梨と俺は、ほぼ並んで泳いでいたが、次第に俺の方がじわじわと引き離され始める。

何とか俺は彼女に追いつこうと粘ったのだが、結局競争には負けてしまった。

トホホ・・・日常で散々尻に敷かれて、泳ぎでも勝てないのか・・・。

「ふぅ・・・!私の勝ちみたいだね。」

「はぁ・・・はぁ・・・!花桜梨、速いなあ・・・!前よりもスピードに磨きがかかったんじゃないの?」

「うふふ、スタミナが勝敗の決め手・・・かな?競争に勝ったんだから、あなたには何かしてもらおうかなぁ・・・・。」

「へっ?何かって・・・何?・・・・あまり無理な事は勘弁だよ?」

「大丈夫、ちょっとこっちに来て。」

花桜梨はニコニコしながら俺に傍に来るように言う。

「・・・・・・。」

「じゃ、目を閉じて。」

「・・・。」

何だ・・・一体何をするつもりなんだろう・・・・。

俺は目を閉じて花桜梨が何をするつもりなのか考えた。









チュッ♪

「!?」

俺は一瞬状況が飲み込めずに呆けてしまった。

目を開けてみると、頬を赤く染めた花桜梨の顔がすぐ目の前にあった。

「・・・・・。」

「か、花桜梨・・・。」

少しぼ〜っとした表情の俺を見て、花桜梨は僅かに笑みを浮かべると両腕を俺の首に回してきた。

頬を赤く染めて目は潤んでおり、お色気全開といった感じだ。

俺たち二人の周りをアダルトな雰囲気が漂う・・・。

しかし、花桜梨は・・・・。

「続きは今夜ね・・・。」

そう言って砂浜の方に泳ぎ始めた。

こ、今夜って・・・まさか!

「ちょ、ちょっと!花桜梨!」

俺も慌てて彼女の後を追って泳ぎ始めた。

これでは餌を目の前に出されてお預けを食らった犬のような心境だ。

全く・・・ここまで挑発しておいてそりゃ無いよな・・・・。







その夜・・・。

シャワーを浴びてから、俺と花桜梨は部屋で夕食の時間までテレビを見るなりホテルの中にある娯楽場などで時間を潰した。

そして、そんな事をしているうちに夕食の時間がやってきた。

「レストランはバイキング形式か・・・。」

俺がパンフレットを読んでいると、花桜梨が話し掛けてきた。

「じゃあ、自分の好きな物を選んで食べるって事だね。」

「そう言う事だね。」

「修学旅行で来た時は、確か豚の角煮とかが出てきたよね。今回も出るかな?」

花桜梨は俺の顔を見ながらメニューについて聞いてくる

沖縄の料理と言えば魚介類とか豚肉料理とかを想像するが、どんな物があるんだろうな・・・。

「う〜ん、どうだろうなあ・・・。ま、行ってみてのお楽しみだよ。」

とりあえず、二人で期待しながら食堂へと向かった。

<レストランにて>

「・・・・・。」

俺はテーブルの上に並べられている料理の数とその豪華さに驚いて言葉を失ってしまった。

「凄い量の料理だね。やっぱり角煮もあるみたいだし・・・。お刺身とかは白身魚みたいだけど、何て言う名前の魚なのかな?」

花桜梨も料理を眺めながら、興味深そうにしている。

周りでは、俺たちよりも来ていた別の旅行客が料理に舌鼓を打っていた。

「よし、俺たちも適当に料理を取ってこようよ。」

「うん。」

しかし、いざ自分の皿に料理を乗せて食べようとした時・・・。

「いただきまーす。」

「待って、最初の一口は私が食べさせてあげる。ほら、あ〜んして。ね?」

花桜梨が料理を箸で挟んで俺の口に持ってきた。

二人きりの時ならいざ知らず、こんな公衆の面前では流石に恥ずかしいと言うものだ。

俺は少々惜しいのだが、彼女の好意を断る事にした。普段なら喜んでOKするのだが・・・。

「い、いいよぉ・・・!恥ずかしいし・・・。」

我ながら情け無い声でそう言って、俺は花桜梨の申し出を断った。

しかし、花桜梨は・・・。

「いいからいいから。ほら、口開けて。あ〜ん・・・。」

「・・・・。」

ここまで押されてしまうと断りきれないのが男の悲しい性だ。

周りを気にしながらも、俺は思い切って口を開けた。

そこへすかさず花桜梨が料理を入れてくる。

もぐもぐもぐ・・・。

「どう・・・?美味しい?」

「う、うん・・・。美味しいよ。花桜梨も食べてみてよ。」

顔を真っ赤にしながら俺は料理の感想を言って、グラスに注いできたジュースを飲み干した。

「本当?じゃあ、私も・・・。」

「へっ?」

花桜梨は俺の方を向いて、にこにことしている。何かを待っているような素振りにも見える。

「あの・・・花桜梨?何やってんの?」

俺は花桜梨に思い切って聞いてみた。果たしてどんな返事が返ってくるのか・・・?

「だから・・・・私にも・・・・ね?」

「!!!」

あ、あんな恥ずかしい事を俺にもやらせる気なのか・・・・。

「か、花桜梨・・・。どうしてもやらなきゃ・・・・ダメなのか?」

「・・・・・。(にこにこにこ・・・・。)」

はぁ・・・・、無言でそんなに笑顔を作られても困るんだけどな・・・。

だが、花桜梨の期待に満ちた表情を見せられては無下に断る事はできない。

仕方無いよな・・・。

「じゃあ、口開けて。・・・はい。」

俺は花桜梨の口に料理を運んであげた。

「もぐもぐもぐ・・・。うん、美味しいよ。」

彼女は料理の味がお気に召したようで、ご満悦の表情だ。

いや、気に入ったのは料理だけではないんだろうな。

「そ、そっか・・・。なら良いけど・・・。」

俺は苦笑しつつ、改めて自分の分の料理を食べ始めた。









食事が終わって、俺たちは部屋に戻って来た。

食事の後は入浴と言う訳で大浴場に行こうと思ったのだが、日中に散々泳いで疲れがたまっていた上、食後と言う事も重なって面倒になってきた。

明日もう一晩宿泊する訳なので、今夜は自室の浴室を使う事にした。

「じゃあ、俺はここで済ませるから。花桜梨は大浴場に行くといいよ。」

「あ、私も今夜はここで済ませるから・・・。一緒に入らない・・・?」

何だって!?本気か?本気なのか!?

俺は時々花桜梨がどこまで本気でどこまでが冗談なのか分からなくなる時がある。それがこういう時だ。

この場合、何て返事をしたらいいのだろうか?

とりあえず、昼間、海でのこともあるし花桜梨の様子を伺う事にした。

「・・・・俺だって男だよ?」

「・・・・だから?」

「だから・・・その・・・。」

「・・・・・何?」

・・・・俺は言葉を探そうとあれこれ考えを巡らす。これでは完全に彼女のペースだ。

「・・・・あ、何て言うか・・・その・・・。」

俺がしどろもどろになっていると・・・。

「ねぇ・・・。私と一緒じゃ・・・嫌?」

「そ、そんな訳ないじゃないか・・・!」

「じゃあ・・・、いいでしょう・・・?私ね・・・今夜をあなたとの記念日にしたいんだ・・・。」

そうか・・・そうだったのか・・・。

俺は昼間に海で花桜梨にお預けを喰らった時のことを思い返してみた。

確かに、花桜梨とはまだそう言ったコトはしていない。

やはり初めてなんだから、ちゃんとした所でしたかったという事か・・・。

「分かったよ・・・。けどさ、風呂だけは一人で入らせてくれないか?心の準備をするから・・・。」

「・・・・うん、分かった。・・・じゃあ待ってるからね。」

花桜梨は恥ずかしげに微笑みながら、居間の方に戻っていった。

高級ホテルなだけあって、浴室は思ったよりも広く、清潔感と高級感に包まれていた。

俺は、とりあえず風呂に浸かりながらこれから何が起きるのか考えていた・・・。

「(はぁ・・・、いつかはそうなると思ったけど、まさかこんなにいきなりその日が来るとはなぁ・・・。

まさかの事を考えて持ってきた甲斐はあったな・・・。)」

俺はタオルに包んで浴室内に持ってきた避妊具をまじまじと見つめた。

「(いざとなれば・・・頼むぜ・・・。)」









その後、俺が風呂から出たあとに、花桜梨も浴室に入っていった。

俺はベッドに入ると、避妊具・・・コンドームを枕の下に忍ばせた。

さあ・・・これで準備はOKだ!

こうなったら、俺が花桜梨をリードしてやろうじゃないか。花桜梨をメロメロにしてやる!

日常で散々尻に敷かれているのだから、夜くらいは俺が彼女をリードしたいところだ。

気合を入れると、俺は布団に横になると眼を閉じてイメージトレーニング(妄想)を始めた。







五分経過した。まだ花桜梨は風呂から出てこない。

そりゃそうだ、女性の場合、男よりもいろいろと手間がかかるものだろう。

・・・・イメージトレーニングを続行しよう。







十分経過・・・。

まだ出てこない。

まだまだ慌てちゃいけない。

これからこれから・・・。







更に十五分経過・・・。

流石に遅いな・・・。一体何をやっているんだろうか・・・?

心の準備でもしているのかな・・・。







それから更に五分経過・・・。

無神経な事に、俺は何時の間にか待ちくたびれて眠ってしまった・・・。











それからどれだけの時間が流れたのだろう・・・・?

俺は自分の身体の上に妙な圧迫感を覚えて目を開けた。

「・・うう・・・ん・・・・。」

俺は、最初金縛りにでもあったのかと思ったが、次の瞬間、その考えは見事に外れた。

「・・・・起きた?」

何と、花桜梨が一糸纏わぬ姿で俺の上に身体を乗せていたのだ。

俺も風呂から上がった状態のまま・・・つまり、パンツだけでベッドに横になっていたので、互いの肌が直にくっつき合っている事になる。

「!!か、花桜梨!・・・・な、何してんの・・・?」

「・・・・あなたが寝ちゃっていたから、こうすれば起きるかなぁって思って・・・。」

花桜梨はそう言うとくすりと笑った。

その笑みが、また何とも言えない花桜梨の色気を醸し出す。

花桜梨は自分の身体の上に薄い布団を被せているので、一つのベッドの中に俺と花桜梨が入っている訳だが・・・。

彼女の柔らかい胸が俺の胸に当たってとても気持ちがいい。

花桜梨って、初めてなんだよな・・・・・?

それにしては、やけに積極的というか何と言うか・・・・。

以前にも、伊集院家のクリスマスパーティーに参加した帰りにも花桜梨の方から一つのコートを二人で羽織ろうと言ってきたり・・・。

病気の時にみかんの缶詰を食べさせてくれたり・・・。

先ほども言ったと思うが、彼女が俺よりも一つ年上と言う事や元々の性格がかなり影響しているのだろう。

「・・・・先に寝ちゃうなんてひどいな・・・。私って、そんなに魅力無いかな・・・・?」

花桜梨は不服そうな顔をしながら俺の頬を指で軽く突付く。

「い、いや・・・・。そんな事は無いけど・・・・。あまりにも長風呂だったから・・・。」

「そんなに長かった・・・?」

「長いよ。だって、20分経っても30分経っても出てこないから・・・。俺、待ちくたびれちゃったよ。」

「そうなんだ、私・・・待たせちゃったみたいだね・・・。」

「・・・・待たせ過ぎだよ。」

俺は苦笑しながら花桜梨の首に手を回すと顔を引き寄せた。

こうなったら、このまま俺のペースに持っていくのが一番だろう。

「あっ・・・・。」

花桜梨は小さく声を上げたが、すぐに目を閉じると俺に抱きついてきた。

と、同時に俺の顔を見ながらか細い声で訴えかける。

「ねぇ・・・優しくして・・・ね?」

「ああ、大丈夫・・・・。力を抜いて・・・。」

花桜梨は俺に言われた通り、俺に身を委ねるようにしている。

彼女の髪と躰からシャンプーとボディーソープのいい匂いがしてくるのが分かった。

いや、それだけじゃない・・・花桜梨自身の匂いもしてくる。何て言うか・・・綺麗な匂いだった。

「花桜梨・・・。」

「ん・・・っ。」

花桜梨の顔を引き寄せてキスを交わす。唇を重ねるだけのキスではなく、俺の方が彼女の唇を割るようにして舌を入れていった。

流石にびっくりしたのか、花桜梨は目を開けると軽く抵抗したが、すぐに目を閉じて俺を受け入れてくれた。

花桜梨とは何度かキスをした事はあったが、ここまで濃密なキスは初めてだった。

初めて・・・か。

確かにキスもそうだが、これからしようとしているセックスも初めてなんだよな・・・。お互いに・・・。

「花桜梨・・・・綺麗だよ・・・。」

「そ、そんな事・・・。」

俺は花桜梨の胸に手を当てながら、耳元でそっと囁いた。

彼女は恥らいながらも、俺のする事に何も抵抗しないでじっとしている。

そんな健気なところがまた可愛い。

俺は花桜梨のことがますます愛しく思えて、俺は再びキスをしながら胸を優しく掴んで弄んだ。

柔らかく質感もある上、肌もすべすべしている為に触った感触がとても心地よかった。

俺は花桜梨の胸をしばらく揉み続けていたが、それだけじゃ我慢できなくなって彼女の一番敏感な所に手をあてがった。

「・・・っ!」

花桜梨が一瞬息を呑んだのがはっきりと分かった。

既に全裸となっているため、遮るものが何も無い。手を当てるとすぐに茂みに辿り着く。

「ああ・・っ!だ・・・めぇ・・・!」

花桜梨が切なげに声を出すが、俺はそれに構わずに指を動かし続けた。

「(・・・・花桜梨、すごく濡れている・・・。)」

指でまさぐると、花桜梨のその部分からは、まるでとどまる事を知らないかのようにどんどん愛液が溢れ出してくる。

自分でも気づかないうちに、俺の指は溢れ出す花桜梨の愛液によってぐっしょりと濡れていた。

いや、濡れているのは俺の指だけじゃない。何よりも花桜梨自身が一番濡れている。

「お願い・・・・やめ・・・て・・・。私・・・変になっちゃう・・・よ・・・。」

花桜梨の快感を必死で堪える声によって俺はますます興奮し、より一層彼女を責め立てた。

「・・・花桜梨、すごく可愛いよ・・・。」

ホテルの室内に、くちゅくちゅと卑猥な音だけが響いている。

「・・・・ああっ!・・・やぁ・・・・!だ、だめぇ・・・っ!」

突然花桜梨が俺の身体にしっかりとしがみついてきた。もはや彼女は限界に達する寸前のようだ。

俺は花桜梨が限界なのを察して、指の動きを早めた。

やがて、花桜梨はびくびくっと身体を震わせながら切羽詰った声を上げると、ぐったりしたかのように俺の身体にしなだれかかって来た。

「はぁ・・・はぁ・・・・はぁ・・・・・・・。」

どうやら、初めて体験する強烈な快感に耐え切れず絶頂に達してしまったようであった。

花桜梨が呼吸する度に、彼女の胸が大きく上下して俺の胸に圧力がかかる。

俺は花桜梨の体重を感じながら、意地悪く耳元で囁いてみる。

「花桜梨・・・・イッちゃったの?」

「・・・・うん・・・。ごめんなさい・・・、私だけ気持ちよくなっちゃって・・・・。」

花桜梨は申し訳なさそうな声で・・・しかし、快感の余韻に浸るかのように少しうっとりとした表情でそう言った。

「別に謝らなくたっていいよ。それより・・・、感じてる時の花桜梨の顔と声・・・とても可愛かったよ。俺、何だかすごくドキドキしちゃったよ。」

「もう・・・・言わないで・・・。それより、私から誘ったのにあなたにしてもらってばかりだよね・・・?私も・・・してあげる・・・。」

えっ?してあげるって・・・・花桜梨は何をするつもりなんだろう・・・。

俺がそんな事を考えていると、花桜梨は身体を起こしてゆっくりと身体を俺の下半身に移した。

そのまま、端正な口を俺の下腹部に近づけていく。

ま、まさか・・・。

「・・・・これが男の人のなんだ・・・。熱くて・・・それにこんなに大きいんだ・・・。」

初めて見る異性の性器に花桜梨は顔を赤くしながら・・・それでいて、興味深そうに俺のペニスをまじまじと見つめている。

「花桜梨・・・どうしたの?嫌なら無理しなくてもいいんだよ?」

「えっ!?・・・ううん、何でもない・・・。ただ・・・初めて男の人のって見たから・・・・。」

花桜梨は恥ずかしそうに答えると、しばらく俺のペニスを見ながら何やら考えていたが、やがておずおずとそれを口に含んだ。

「うっ・・・!」

生暖かい感触を覚えて、俺は思わずうめいてしまった。

「・・・ん・・・んんっ・・・。」

花桜梨はぎこちないながらも、奉仕し始める。

「花桜梨・・・・っ!」

強い快感に耐え切れず、俺は思わず花桜梨の頭に手をやった。

花桜梨は俺の表情が快感に歪んでいるのを上目遣いで確認すると、気を良くしたのかますます激しく吸いたててくる。

「うああ・・・っ!花桜梨・・・花桜梨っ・・・!」

フェラチオが初めてと言う事もあってそれほどのテクニックを持ち合わせている訳では無いが、花桜梨にしてもらっていると言う事が俺を興奮させる。

花桜梨の口の中はぬるぬるしていて、とても温かかった。

舌を絡ませたかと思うと、先端をつんつんと軽くつつく様にして刺激する。恐らく俺を気持ちよくしようと一生懸命なんだろうな・・・。

更に時折、唇をすぼめてペニス全体を吸いたててくる。その度に、俺は迫り来る快感に必死で耐えた。

気持ちいいなぁ・・・。最初は花桜梨を俺が一方的に責める事になるかと思ったけど、いざコトが始まると精一杯俺に奉仕してくれる。

やっぱり花桜梨って、何でも一生懸命にしてくれるんだな・・・。

「んんっ・・・むっ・・・・、・・・ふぅ。・・・ねぇ・・・気持ちいい?」

花桜梨が一旦俺のペニスから口を離して聞いてきた。

気持ち良くない訳が無い。このまま奉仕されていたら、間違い無く果ててしまうだろう。

「ああ、最高に気持ちいいよ・・・。花桜梨って初めてなのに随分上手いんだね。まるで、こう言うコトが得意みたいだよ・・・。」

「・・・・・。」

俺の言葉に花桜梨が黙り込む。

俺はすぐに自分の無神経な発言に後悔したが、手遅れだった。

「・・・・私が他の男の人にこういう事してるって思ってるの・・・?」

やばい!花桜梨の表情が一気に険しくなったぞ・・・!

早く機嫌を直さないと、折角のムードが台無しだ。

「ご、ごめん!そう言う訳じゃないんだ。ただ・・・花桜梨がすごく上手で気持ち良かったから・・・。」

「・・・。」

まだ花桜梨は不機嫌そうな顔をしたままだ。仕方ない・・・・こうなったら・・・!

「・・・きゃっ!・・・・!・・・ああっ!」

俺は花桜梨を押し倒すと、自分が彼女にしてもらったみたいに彼女の膣に顔を近づけて敏感な部分を舌でぴちゃぴちゃと舐め始めた。

「ああんっ・・・!な、舐めちゃ・・・いや・・あっ・・・!」

花桜梨は俺の頭を手で押さえようとするが、その手にはほとんど力が入っていない。

俺は彼女の声を無視するかのように、更に激しく舐め回した。舌で舐める度に、花桜梨の膣からは愛液がどんどんと溢れてくる。

それを舌ですくい取りながら、俺は夢中で花桜梨を味わった。

「だ・・・だめぇ・・・!私・・・また・・・イッちゃうよ・・・っ!」

「構わないさ・・・。好きなだけ、何度でもイクといいよ・・・。」

俺の言葉に花桜梨は上気して赤くなった頬を更に赤くしながら、可愛い喘ぎ声を上げる。

「やぁ・・・ん!・・・あん!・・・気持ち・・いい・・・っ!」

快感が強すぎるのか、花桜梨は目をぎゅっと閉じて両手を握り締めている。

「あ・・・ああ・・!い・・イク・・・・っ!」

花桜梨が身体を痙攣させながら、二回目の絶頂に達する。

俺も花桜梨を一頻り味わったあと、口を離して彼女の頬に軽くキスをしてからにっこりと笑いかけた。

俺の笑顔を見ながら、花桜梨はぐったりしながらも俺に文句を言う。

「はぁ・・・はぁ・・はぁ・・・!・・・もう、いきなりなんて・・・・・ずるいよ・・・。」

「・・・嫌だった?」

俺の意地悪な質問に、花桜梨は真っ赤になりながら一言だけ呟いた。

「・・・・・ううん。」

「ふふ・・・、花桜梨・・・感じていたからなぁ・・・。そんなに気持ちよかったんだ。」

「もうっ・・・!意地悪・・・。」

花桜梨の拗ねた表情と仕草がまた何ともおかしくて、俺は笑ってしまう。

しかし、花桜梨は俺が笑った理由が分からなかったみたいできょとんとした顔をしている。

そのあと、情け無いような顔をして俺に聞いてきた。

「な、何を笑っているの・・・?」

「ははは・・・、花桜梨が余りにも可愛いから・・・何だか微笑ましくてさ。」

そう言いながら、俺は花桜梨を下にして体位を移動させた。

もう、俺の方が我慢出来そうも無い。早く花桜梨の中に入りたかった。

「・・・・・。」

花桜梨は俺が何をしようとしているか想像がついた為、表情が強張っている。

相当緊張しているんだろうな、確かに初めてなんだから無理も無いか・・・。俺も初めてだけど・・・・。

俺だって緊張はしている。心臓の鼓動がどんどん早くなってきているのが分かる。

しかし、初めてと言えどここで男の俺が頑張らないといけない。

まずは花桜梨の緊張をほぐして安心させてやらないとな・・・。

「花桜梨、大丈夫だからそんなに硬くならないで・・・・。俺の事を信じて・・・。」

「うん・・・、分かった・・・。」

花桜梨はこくりと頷くと、肩の力を抜いて目を閉じた。

俺はそんな花桜梨の胸に手を当てながら彼女に何度も優しくキスを繰り返す。

すると、最初は小刻みに震えていた花桜梨が次第に落ち着いていく。

「じゃあ・・・いくよ。」

「・・・・・いいよ・・・・来て・・・。」

花桜梨は目を薄っすらと開けると、か細い声で俺に答えてくれた。

俺は花桜梨の膣に静かにペニスをあてがうと、最後に確認をした。

「・・・痛かったり、どうしても辛くなったら言うんだよ?」

「・・・うん・・・分かった・・・。ありがとう・・・。」

さて・・・いよいよだ・・・。

上手くいくかどうか分からないけど、出来るだけ彼女に負担をかけないようにしないとな・・・。

ぬちゅ・・・ぐちゅっ・・・。

俺はゆっくりと彼女の中に進もうしたが、彼女の膣は俺のものに対して抵抗するかのようになかなか先に進ませてくれない。

それは彼女が処女だと言う事を如実に表していた。

多少の抵抗を感じたものの、それでも俺は何とかペニスの先端を花桜梨の中に沈めていった。

すると、彼女の膣が俺のペニスをきつく・・・・それでいて温かく締め付けてくる。

徐々に俺が腰を深く静めていくにつれて、花桜梨は苦痛に表情を歪めていくのが分かった。

「・・・うっ・・・ああっ・・・!」

痛みに苦痛の入り混じった声を出しながらも、「痛い」とは一言も言わない。

俺に気を使わせないように彼女なりに必死なのだろう。

俺はそんな花桜梨の健気さに感謝しつつ、出来るだけ静かに挿入していった、

そして、ある一定のところまで挿入してから俺はペニスの先端に純潔の証である処女膜を感じた。

「花桜梨・・・ここからはもっと痛いかもしれないけど・・・。」

「大丈夫・・・。私、あなたを信じてるから・・・・。」

花桜梨はそう答えると、俺の背中にしっかりと手を回してきた。

「・・・・分かった。・・・・それっ・・・!」

俺は一気に腰を沈めて、花桜梨の奥深くまで突き入れた。

「・・・っ!ああっ!!」

俺が突き入れた瞬間、鋭い痛みに花桜梨が切なげに声を上げた。その目からは涙が流れ落ちる。

俺の背中に回している手に力が篭る。

それに伴って、花桜梨の爪が背中に刺さって痛かったのだが、この程度の痛みなら彼女の痛みに比べたらまだまだ大した事は無いはずだ。

「花桜梨・・・大丈夫か?」

俺は花桜梨が泣いているのを見て、腰を沈めたまま動きを止めて彼女の波が収まるまで待つことにした。

「うん・・・大丈夫だから・・・動いて・・いいよ・・・・。」

花桜梨は俺に気を使って痛みがまだ収まらないのに関わらず、無理に泣き笑いを作ってみせる。

俺の事を考えて・・・。本当に健気なんだな・・・。

俺は花桜梨の様子を見て、思わず彼女をしっかりと抱きしめた。

温かく、それでいて柔らかい彼女の身体が俺の身体としっかりと重なり合う。心も身体も一つになれて俺は本当に嬉しかった。

「あなたのこと・・・好き・・・大好きだよ・・・。」

「俺も・・・花桜梨のことが大好きだ・・・。こうして一つになってみて改めて分かったよ・・・・。」

「・・・・うん・・・うん・・・。」

涙を流しながら、花桜梨は感激したように何度も頷く。

そんな花桜梨の頭を優しく撫でながら俺は、繋がりあった状態のままで濃密なキスを交わし、お互いの愛を確かめ合った。

花桜梨・・・俺は君の事を好きになれて、本当に良かった・・・。君といつまでも一緒にいたい・・・。

「ねぇ・・・・もう・・大丈夫だよ・・・・。」

「・・・いいの?」

「うん・・・あなたが優しくしてくれたから・・・。」

「ん・・・じゃあ、行くよ・・・。」

ゆっくりと腰を動かし始める。

俺が腰を沈める度に、花桜梨の膣がペニスを締め付けてくる。

いや、締め付けると言うか包み込むように吸い付いてくる様にも感じる。

愛しい花桜梨の温もりをしっかりと感じて、俺はこみ上げる快感に全身が震えた。

くちゅっ・・・ぬちゅっ・・・・ぐちゅっ・・・・。

部屋の中にはお互いの性器が擦れ合う音と息遣いだけが響き渡っている。

「花桜梨・・・!最高に気持ちいいよ・・・。」

奥へと突き入れる度に、俺は脳天まで突き抜けるような快感に襲われる。

ちゅくっ・・・ずちゅっ・・・じゅぷぷぷ・・・。

花桜梨の中って、何て温かくて気持ちいいんだろう・・・・。

「あん・・・!あんっ・・・!はぁ・・・っ!あん・・・あん・・・!熱い・・・!」

花桜梨が俺の首に手を回すとキスを求めてきた。

俺も花桜梨の唇に自分の唇を重ねると、舌を絡め合い・・・互いの唾液を交換して激しく求め合った。

「花桜梨・・・!花桜梨・・・・!」

彼女の名を何度も呼びながら、俺は夢中で腰を使って快感を求めた。

「ああんっ!・・・や・・・っ!あ・・っ!うん・・・っ!」

俺の腰の動きに合わせて、花桜梨の豊かな胸が上下に揺れている。

それがまたエロチックで俺はますます興奮してしまう。

俺も花桜梨も全身汗だくで、夏の沖縄の熱帯夜を感じさせる。

そのうち俺は迫り来る絶頂感を覚えて、自分の限界が近い事を感じた。

先ほどまで花桜梨に口で奉仕されていた上に、初めて経験するセックスの快感にそう簡単に耐えられる事は出来なかった。

「はぁ・・・!はぁ・・・!花桜梨・・・俺、もうそろそろ・・・・。」

「・・・いいよ、イッて・・・。」

「花桜梨・・・、何処に出したらいい・・・?」

「・・・・あなたの好きなように・・・して・・いいよ・・・。」

「花桜梨・・・じゃあ・・・口で受け止めて欲しいんだけど・・・。出来る・・・?」

「あんっ・・・!はぁ・・・っ!・・・う・・・ん、いい・・・よ・・・出して・・・・あん!・・・やっ・・・ああ・・っ!」

花桜梨の喘ぎ声を聞いて、俺はついに限界に達した。

腰を何回か上下したあとで、花桜梨の中からペニスを引き抜いて花桜梨の口に持っていった。

「・・・・んむっ・・・んんっ・・・あむっ・・・んん・・・っ・・・。」

花桜梨は素直に俺のものを口に含んでくれた。花桜梨の舌が俺の限界寸前のペニスに優しく絡みつく。

その直後、それが引き金となって俺は花桜梨の口の中で勢いよく射精した。

「花桜梨・・!花桜梨!イクっ・・・!イクよ!!」

「・・・んんっ・・・!」

びゅくっ、びゅくっ・・・どくっ・・・どくん・・・。

花桜梨の口内で俺のペニスが痙攣して、次々と精液を放出する。

可愛い彼女の口が俺の精液で満たされていくのが何となく分かった。快感を堪えに堪えていたので、自分でも驚くほどの勢いと量だった。

「はぁはぁ・・・はぁ・・・!花桜梨・・・・。」

全てを放出し終えた後、俺は花桜梨の口からいまだ衰えぬペニスを引き抜くと花桜梨の顔を見つめた。

花桜梨は俺が出した精液をしばらく口の中に溜めていたが、やがてこくりと飲み干してくれた。

「・・・・苦い・・・けど、何だか嬉しい・・・。こんなに出してくれて・・・・。私のコト、しっかりと感じてくれたんだね・・・。」

「花桜梨・・・・。」

俺は花桜梨の言葉を聞いて、心から俺の事を想ってくれているんだと実感した。

花桜梨は頬を赤く染めたまま、恥ずかしげに俺の顔を上目遣いで見ている。その仕草が何とも愛らしい。

「・・・・これからも、私のコト・・・愛してくれる・・・?」

「ああ、勿論だよ・・・。ずっと花桜梨を大切にするさ。俺には君しかいないんだから・・・。」

「嬉しい・・・・。私も、あなただけだから・・・。」

花桜梨は嬉しそうに、俺に抱きつくと胸に顔を埋めた。

俺も花桜梨の背中に手を回して、優しく抱きしめ返してやるのだった・・・。











その後、俺たちはベッドの中でお互いを愛し合えた事の余韻に浸りつつ、明日の予定を立てた。

まだまだ沖縄旅行は始まったばかりなんだ。きっと最高の思い出が出来るはずだ。

何だか明日が待ち遠しくなってきたなぁ・・・。

ちなみに、その夜は休憩を挟んで更にもう一戦交えたのは言うまでも無い。

二回戦目も最初に負けないくらいに、お互い激しく求め合った。・・・・いや、むしろ二回戦は俺の方が彼女にリードされているようにも感じた。

昼間、海で競争した時に花桜梨はスタミナが勝負の鍵って言っていたけど、実際、彼女の体力は凄いものだと改めて実感してしまう。

これからも花桜梨とはこうなる機会が増えるだろうけど、彼女のスタミナに負けないくらい俺も頑張らないとな・・・。

 

【一日目・完】

<二日目に続く・・・>

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