淫散桜花

…犯されたカラダ、慰められるココロ…

【交錯(告白)編】

私がひびきの高校に転入し直してから一ヶ月が過ぎたが、特に親しい友人は出来ずにいつも一人で過ごす事が多かった。

休み時間は屋上で過ごし、放課後になったらすぐに帰路に着く。そんな事の繰り返しで私は一日を流れるままに過ごしていた。

しかし、五月のゴールデンウィークが明けた次の週、いつもと同じように屋上で一人風に当たっていたのだが・・・。

 

「あの、ちょっと・・・いいかな?」

「・・・・?」

 

振り向くと、見た事のない男子生徒が立っていた。

学年は恐らく同じ(実際は私の方が一つ年上なのだが・・・)だと思った。

まだどこかあどけなさが見られ、しかしその瞳は明るく屈託がないように感じられた。

・・・・私に声をかける人がいたんだ・・・。

ちょっと意外だった・・・けど、今の私にとっては話しかけられる事は煩わしい以外の何者でもなかった。

 

「・・・何?」

「あ・・・えっと・・・。」

「・・・用が無いなら、私はこれで帰るから・・・。」

 

前の学校であんな目に遭ったのだから、男性には特に強い不信感があった。

普通、女性が集団で犯されれば、気が狂って自殺してもおかしくはないはずだろう。

・・・ううん、違う・・・。私には死ぬだけの勇気も活力もなかっただけかもしれない・・・。

 

「ま、待って!その、良かったら名前を教えてくれないかな?」

「・・・・。」

 

その男子生徒の目を横目で見る。

特に曇りの無い、純粋な瞳だと・・・初対面の彼がそう言う風に見えたのはどうしてだったのか?

気が付くと、私は自然と彼に自分の名前を教えていた。

 

「花桜梨・・・八重花桜梨・・・。それじゃ・・・・。」

「あっ・・・!今度良ければ、どこかに出かけない?君さえよければ・・・。」

「・・・・気が向いたら。・・・さようなら。」

それからと言うもの、彼とはよく会うようになっていた。

とは言っても、彼の方が私に話し掛けてくる事がほとんどだったけど・・・。

・・・・一体、何が狙いなんだろう・・・?私と仲良くなっても得することなんて何も無いのに・・・。

一度はデートもすっぽかしてしまったと言うのに・・・。

 

(良かったら、今度の日曜日に中央公園に一緒に行かない?)

(へえ〜、八重さんって熱帯魚が好きなんだ。確かに、こうやって見ると綺麗だよね。)

(八重さん、文化祭だけど良かったら一緒に見学しない?)

(そう、そうやって信じる前に諦めちゃうんだね・・・。)

 

彼の言った言葉が頭から離れない。どうしてこんなにも彼のことが気になるのだろうか?

もし・・・もしも、私が彼を好きになったとしても・・・犯された私なんて・・・この汚れた身体の事を知られたら全てはお終いだと言うのに・・・。

時は流れて・・・私は二年生になった。進級するにあたって、一時は学校を辞めようかとも悩んだが・・・結局もう一年頑張ってみる事にしたのだ。

進級してクラスは違うものの、彼とは以前よりも一緒に出かけたり話したりする機会は増えていた。

修学旅行では思い切って、私の方から彼を自由行動の相手になってもらいたくて誘ってみた。

一年前の私には考えられないほど前向きな行動だ。もっとも、彼以外に私と行動を共にしてくれる人なんていなかっただろうけど・・・・。

・・・・そう、そうなんだ・・・。私は彼の事が好きになりかけている・・・信じかけているんだ・・・。

その事を気付くには、それほど時間はかからなかった。

けど・・・彼のことが好きになればなるほど・・・・意識すればするほど怖かった。

前の学校の友人達はあんなに一生懸命に頑張ってきた仲だと言うのに・・・助けてはくれなかった。私を裏切って、離れていってしまった・・・。

今の彼も、私が犯されている事を知ったら・・・?

 

(あなたは・・・私の過去を全て知っても・・・好きでいてくれるの・・・?普通に接してくれると言うの・・・?)

 

私は悩み、考え抜いた。そして・・・。

ある日の放課後、私は彼を屋上に呼び出した。

「八重さん、大事な話って何?」

「・・・・。」

「・・・八重さん?」

「・・・・あなたは私と一緒にいて・・・楽しい?」

「えっ?そりゃ、つまらなかったり楽しくなかったら一緒にはいないよ。」

「そう・・・。じゃあ、その言葉が本当だっていう証拠はある?」

「しょ、証拠・・・って、一体どうしたの?今日の八重さん、何だか変だよ。」

「・・・・・・。」

 

私は黙って彼の目を見つめた。

彼は一瞬驚いた表情をしたが、そのまま私の目を見つめ返してきた。

出逢った時と同じ・・・変わる事の無い真っ直ぐな瞳。

 

「・・・・今日、お母さん遅くまで帰らないの。」

「えっ?」

「・・・・だから・・・一緒に家まで来て・・・。確かめたい事があるから・・・。」

「あ・・う、うん・・・。」

 

彼は少し狼狽しているみたいだった。

確かに・・・いきなり家に誘われたりすれば、緊張するのも無理はないと思う。

それに、彼のことだから・・・彼と同じクラスの坂城君みたいに場慣れしているはずがない。

家に着いてから、私は彼を自分の部屋に通した。

ひびきの市に引っ越してきて、異性を部屋に入れるのは初めてだった。

今年の夏休みに転校してしまった佐倉さんを除いて、友人と言える人はもはや彼しかいなかったから・・・。

それに、信用出来ない人・・・他人を自分の部屋に入れる気などしなかった。

 

「・・・・ここが八重さんの部屋なんだ・・・。そう言えば、熱帯魚を飼っているって言ってたっけ。管理とか大変なんだよね?」

「うん・・・。けど、それも慣れれば楽しいから・・・。」

「・・・そっか、何だか格好いいなぁ。」

「・・・格好いい・・・?私が・・・?」

 

急に予想もしなかった事を言われて、思わず訊き返してしまう。

すると、少しはにかんだ笑顔を浮かべながら彼はこう言った。

 

「そうだよ、だって高校生で熱帯魚を飼っているなんて余り聞かないからさ。それに、見たところかなり本格的だし。」

「・・・基本的な道具とか揃えていくとそう言う風に見えるだけ・・・。そんなに大した事じゃないわ・・・。」

 

私は思わず彼から視線をそらして下を向いてしまった。頬が紅くなっているのを感じながら。

幸い、彼はそれ以上その事について聞いてこようとはしなかった。そんなささやかな気遣いが嬉しく思える。

しばらくの間、二人揃って水槽を眺めていたが・・・彼はやがてゆっくりと私の方に向き直ると真剣な顔になった。

私もその表情を見て、彼を自分の家に招いた事の理由を思い出した。

 

「・・・八重さん、それで話って・・・?」

「・・・・あの、こんな事を訊くのは変かもしれないけど・・・。」

「???」

「もし・・・もしも・・・私が汚れているって言ったら・・・あなたはどうする?」

「え?よ・・汚れているって・・・どう言う意味?」

「・・・・そのままの意味。・・・汚れているの、ココロも・・・カラダも・・・。」

「!?!?」

 

彼は私の言葉の真意を測り兼ねているようだった。

確かに、いきなり汚れているなんて言っても訳が分からないのは当然かもしれないけど・・・。

私はしばらく悩んだが、思い切ってはっきりとこう告げた。

 

「・・・・私ね、二年くらい前に・・・・レイプ・・・された事があるの・・・。」

「!!!」

「・・・・人間関係でちょっとしたごたごたに巻き込まれて・・・。8人くらいの男子に代わる代わる犯されたの・・・。」

「・・・・・。」

 

彼は絶句してしまった。いや、何て言えばいいか分からないのかもしれない。

しかし、このまま仲良くなればいつかは話さなければならない事だと思った。本当に好きな人に隠し事をするのは嫌だったから・・・。

それに、もしも彼が私のことを想っていてくれるとしたら・・・自信過剰かもしれないけど、もしそうだとしたら・・・余計に話さなければいけないと思った。

 

「・・・・私をレイプしたのはみんな知らない人たちばかりだった・・・。部活が終わった後で体育倉庫に連れ込まれて・・・・そこで・・・・。」

「八重さん、もういいよ・・・。」

「どんなにやめてって言っても・・・泣いても・・・やめてはくれなかった・・・。何度も何度も私の事を・・・・!」

「もういいよ!もういいから・・・!」

「私・・・汚されちゃったの・・・。犯されて・・・汚れたカラダになっちゃったの・・・!」

 

犯されたその日の夜、私は泣きじゃくっていたが・・・やがて涙も枯れた。

それから今までずっと涙など流さなかった。

けど・・・。

彼に全てを話しているうちに、枯れ果てたと思っていた涙が自然と溢れてきて頬を伝って零れ落ちていった。

 

「八重さんは汚れてなんかいないよ!汚れてなんかいるもんか!!」

「嘘・・・!嘘よ・・・!他人なんてみんな嘘吐きよ・・・!あなただって・・・!」

「・・・・・・。俺だって・・・?」

「今、私がレイプされたって知って・・・心の中では汚い女だって思っているんでしょ・・・?軽蔑しているんでしょ・・・?」

「違う!俺はそんな事思ってなんかいないよ!」

 

彼は真剣な顔で必死になってそう叫ぶ。

私も言葉とは裏腹に、彼が嘘など吐いていない事など分かっていた。

でも・・・心の中では割り切れない自分がいるのもまた事実だった。

 

「どうしてそう言いきれるの・・・?」

「だって・・・だって、俺は八重さんの事が・・・・好きだから・・・。」

「・・・!」

 

彼の告白に、一瞬だけ胸の奥がきゅんと締め付けられるような気がした。

・・・そうか、やっぱり私は彼の事が好きなんだ・・・。彼に好きだと言われて・・・嬉しいのね・・・。

けど・・・、言葉以上のモノが・・・私を納得させてくれる証が欲しい・・・。

 

「・・・・だったら私のこと抱いてみせて・・・。」

「えっ・・・!?」

「・・・・あなたが私のことを本当に好きなら・・・今ここで抱いてみせて・・・。」

「八重さん!何をいきなり・・・!」

「・・・・それとも、何人もの男に犯された女の子なんて汚いから抱きたくない?」

「・・・っ!!だ、抱けるさ!抱けるに決まってる・・・!」

 

私の意地の悪い言葉に、彼はそう叫んで私の身体を抱きしめた。

けど、一目で動揺を隠し切れない様子が見て取れた。私の背中に回した手は震えているし、顔は赤く、冷や汗もかいている。

・・・・ああ、そうか・・・。彼は初めてなんだ・・・・。

彼の態度で、私は直感でそう感じた。

 

「・・・・待ってて・・・。シャワー浴びてくるから・・・。」

「わ、分かったよ・・・。」

 

彼の耳元でそう囁くと、私は一旦部屋を出て浴室へと向かった。

(・・・・彼とのセックス・・・か・・・。)

シャワーを浴びながら、私はぼんやりとこれから始まるであろう事を考えていた。

二年前のあの日、集団で犯されて以来の性行為になる。

いや、お互いが同意の上で行うセックスは今回が初めてだ。

彼はきっと童貞だろうから、初体験の相手が私と言うコトになる。その事に対して少し疑問もあった。

初体験の相手がレイプされた私なんかでいいのだろうか?こんなに汚れ果てた私なんかで・・・。

 

その後、私と入れ替わりに彼がシャワーを浴びに部屋を出て行った。

・・・シャワーを浴びながら、彼はどんな事を考えているのかな・・・。

彼がシャワーを浴び終えて部屋に戻って来た。さっきよりは落ち着いているものの、こころなしか顔が強張っている。

私はバスタオル一枚を身体に巻いてベッドの上に腰掛けて彼を待っていた。

 

「・・・・八重さん、俺は君の事を汚れているなんて思っていない。最初にそれだけは言っておくからね。」

「・・・・。」

 

彼はそう言ってから、私の隣に座った。

それからちょっと躊躇いがちに自分の顔を近づけると、ぎこちなく唇を重ねてきた。

・・・・やっぱり、キスもした事がないんだ・・・。

ただ唇を重ねるだけのキスで、それ以上何もしてこない。

私もあえて舌を入れるような事はしないで、黙って唇を重ねていた。

 

「・・・・えっと・・・、八重さん・・・。その、何て言うか・・・。」

「・・・・。」

「俺・・・実は初めてなんだ・・・。上手く出来るか分からないけど・・・。」

「別に構わないわ・・・。私はあなたが抱いてくれる事だけで充分だから・・・。」

 

そう言って、私は彼の腰に巻かれているタオルを外すとその下に隠されていたモノに目を向けた。

すると、元気よく反り立ったモノが私の視界に入ってくる。

・・・・結構、大きいんだ・・・。

予想より大きい彼のモノに、私は思わず生唾を飲み込んでじっと見つめてしまった。

 

「・・・・。」

「あ、あの・・・八重さん?」

「!・・・ご、ごめんなさい、何でもないわ・・・。」

 

私が無言で彼の股間を凝視してしまったので、それを気にした彼が声をかけてきた。

それで私は我に返り、慌てて目線をずらした。

自分のバスタオルも取り払ってから、お互いに全裸になって見つめ合う。

こころなしか、私が全裸になった瞬間に彼のその部分がびくんと震えて一層大きくなったようにも見えた。

・・・・気持ち良くしてあげないと・・・・。

静かに彼のモノを手にして上下に動かしてみる。

情け無い気もするが、輪姦された際に男の人が喜ぶ方法はカラダが覚えてしまっていた。

 

「っ・・・!や、八重さん・・・!」

「・・・・力を抜いて。」

「んっ・・・くっ、ああ・・・!」

 

私の手の動きに合わせるようにして、まるで女性の様に彼が喘ぐ。

・・・男の子もこう言う風にされると喘ぐんだ・・・。

初めて見聞きする男性の喘ぎに、私はちょっと驚いていた。

それにレイプされた時と違って、今回は私が彼をリードする形になっている。

女性経験が無い彼が相手なのだから当然な事かもしれないけど、もしも彼が女性経験が豊富だったらどう言う風に接してきただろうか。

彼のモノを触っていると素直に反応をしてくれるのが初々しく感じられた。

それが私の中にある欲情心を刺激する。

 

「うっ・・・ああぁ・・・!八重さん!八重さん・・・っ!!」

「・・・・気持ちいいの・・・?」

「す、すごく気持ちいいよ・・・。八重さん・・・上手なんだね。」

「・・・・・・。」

 

彼の言葉で(恐らく、彼なりに気を使って誉めたつもりなのだろうが)、私は思わず黙り込んでしまった。

こんな風に男の人を喜ばせるテクニックを身に付けているのは二年前のあの事件のせいなのだから・・・。

 

「あ・・・!ご、ごめん!別に変な意味で言ったんじゃないんだ・・・。」

「・・・気にしないで。誉めてくれたんでしょう・・・?」

 

それだけ言うと、再び手淫を再開する。

私の手の中でどんどん感じていく彼が愛しく思えた。

・・・・私なんかに触られて感じてくれているのね・・・。

 

「・・・はぁ、はぁ・・・!八重さん、もういいから・・・。」

「・・・・我慢しなくてもいいわ。このままイッて・・・。」

 

そう言いながら、私は手の動きを早めた。

既に彼のペニスの先端からは透明な液体が滲み出している。男の人がイキそうになると出てくる先走りの液のようだ。

・・・・そろそろイキそうなのかな・・・。

 

「あっ!ああっ・・・!だ、駄目だよ!八重さん!!」

「・・・・いいよ、出して・・・。」

「・・・っ!!ごめん!八重さん・・・!」

びゅっ!びゅくっ、びゅくっ!びゅくっ!

「・・・んっ!」

 

彼は私に謝りながら激しい勢いで射精した。びくびくと痙攣するペニスから次々と精液が放たれて、私の胸やお腹に飛び散っていく。

・・・・あ、すごい勢い・・・。

顔にまで届くほどの勢いに少々戸惑いながら、私は彼の射精が完全に終わるまでペニスをしごき続けてあげた。

・・・そう言えば、男の人は興奮したり感じていればその分だけ勢いよく出るって何かの本に書いてあったっけ・・・。

 

「八重さん、本当にごめん・・・。気持ち良すぎて・・・。」

「謝らなくてもいいわ。あなたは素直に反応してくれただけだもの・・・。」

 

彼が射精を終えてから申し訳無さそうに謝ってきた。

多分、精液が私の顔にまでかかってしまったコトを気にしているみたいだった。

別に気にしないでもいいと言って、私がティッシュで彼のモノを拭いてあげたり、自分の胸や顔に飛び散った精液を拭いていると・・・。

 

「・・・・八重さん、今度は俺にさせてくれないかな?」

「えっ・・・?いいけど・・・。」

 

何をすればいいのか分かるのかと言いかけて、私は慌てて言葉を呑み込んだ。

流石にそんな失礼な事は言えない。彼だって私の事を考えて一生懸命なのだから・・・。

 

「・・・・じゃあ、横になって・・・。」

「うん・・・。」

 

私がベッドに仰向けになると、彼がゆっくりとその上に覆い被さるようにして身体を移動させてきた。

そして、恐る恐る私の胸に手を当てる。

慎重に・・・大事なものに触れるような彼の触り方はどこか歯がゆいようにも思えたが、心地良くも感じられた。

しばらくは手で胸を撫でているだけの愛撫だったが、やがてやんわりと私の乳房を揉み始める。

 

「・・・んっ、はぁ・・・。」

「八重さん、痛くない?」

「大丈夫・・・。あなたの触りたいように触ってみて・・・。」

 

彼が初めてと言う事もあるから、私は彼がリラックス出来る様な返事をした。

演技・・・と言う訳でもない。・・・実際、彼に胸を弄られても悪い気はしなかったのだ。

それを聞いて安心したのか、彼は私の両方の乳房をふにふにと揉みながら胸の谷間に顔を埋めてきた。

 

「八重さんのおっぱいって柔らかくて気持ちいいんだね・・・。それに、すごく温かいよ・・・。」

「んっ・・・、女の人の胸は・・・ふあぁ・・・。みんな・・・あんっ、そうだと思う・・・。」

「そんな事無いよ。八重さんだから余計に気持ちいいって思えるんだよ。」

 

『八重さんだから』という彼の言葉が私の胸を熱くする。

もっと・・・もっと、彼に触れて欲しかった。

温かい手の温もりが凍りついた私のココロを溶かしてくれるような・・・そんな気がしたから・・・。

 

「八重さん、下の名前で呼んでもいい?」

「・・・あぁ・・・んっ・・・!か・・構わないけど・・・んっ・・はぁぁん・・・!」

 

何とか返事をするのが精一杯だった。私は胸を弄られることがこれほど気持ちいいなんて思わなかった。

・・・ううん、違う・・・。私も・・・『彼だからこそ』気持ちいいんだろうな・・・。

彼はしばらく私の乳房を優しく揉みしだいていたが、急に胸の頂きにある突起を口に含むと舌で転がし始めた。

・・・ああっ、そんな事されたら・・・!

 

ちゅっ、ちゅぴ、ちゅぷっ、ぴちゃ、ぴちゃっ・・・

「んっ・・・ひあぁ・・・ん・・ッ!」

「花桜梨さん、すごく綺麗だよ・・・。花桜梨さんの全てが綺麗で・・・可愛くて・・・大好きだよ。」

「そんなこと・・・あんっ・・・!そ、そんなに・・・吸わないでぇ・・・っ!」

 

私の訴えに興奮したのか、彼は一層乳首を激しく責め立ててくる。

痺れるような感覚が私の中を駆け巡り、思わず彼の頭をぎゅっと抱きしめてしまった。

彼の口の中でどんどん乳首が硬くなっていくのが自分でもはっきりと分かった。

 

「ふぅ・・・。花桜梨さん、今度は・・・・ココもいい?」

「えっ・・・?・・・きゃっ!」

 

散々、乳首を吸い立てていたと思ったら、急に彼が身体をずらしてきた。

その直後、私は一気に両足を左右に広げられて秘部を覗き込まれてしまう。

恥かしさに顔を真っ赤にしながら、私は慌てて声をかけた。

集団レイプされた私とは言え、一応は女だ。これでも恥らいの気持ちくらいは残っている。

 

「ま、待って・・・!急にされたら・・・恥かしい・・・!」

「ご、ごめん。けど、どうしても花桜梨さんの全てが見たいんだよ・・・。どうしても駄目ならいいんだけど・・・。」

「・・・・。」

 

・・・・そんなにお願いされたら・・・仕方ないよね・・・。どうせ、セックスをする訳なんだし・・・。

彼の言葉に、私は首をこくんと縦に振った。

元々彼を誘ったのは私なんだし、折角彼が自分からしてくれようとしているのだから・・・・。

 

「花桜梨さんのアソコってこうなっているんだね・・・。」

「・・・・あ、あんまり見ないで・・・。」

「すごく濡れているよ・・・。触ってもいい?」

「うん・・・。」

 

私の承諾を得てから、彼がそっと指先で触れてきた。

・・・あんっ!そこは・・・!

指先がその部分に触れた瞬間、思わずびくっと身体を震わせてしまった。

 

「花桜梨さん、どんどん溢れてきているよ。ほら、こんなに・・・。」

「・・・ひうっ!・・・はぁ・・・んッ・・・!ひぁッ・・・!」

 

指先で秘部をなぞられて、強烈な快感が全身を駆け巡る。快感に耐え切れず、私は身体を弓なりに反らしてしまった。

彼の指が私の秘部を弄くっている・・・そう思っただけで、異様な興奮に襲われて私はどんどん感じていた。

・・・彼のが欲しい・・・。あの大きなモノで貫かれたい・・・。

指による刺激に身体をびくびくと震わせて我慢していると、急に指の感触が無くなった。

 

「・・・・?」

「花桜梨さんのココ・・・、とても綺麗だよ・・・。」

 

そう言ったかと思うと、彼は私の秘部に口を付けるとトロトロになった部分を舌で舐め始めた。

舌で舐めるだけじゃなく、クリトリスを口に含んでちゅっと音を立てて吸いたててくる。

私のいやらしい身体は更なる快感を求め、ますます濡れていった。彼はちゅるちゅると音をたてて私の愛液をすすり、舌先で突起を転がしてくる。

鋭い快感に、私は我を忘れて喘いでしまっていた。

 

ちゅっ!ちゅううぅぅっ!ちゅっ、ちゅるっ!

「ひゃうっ!!ふあぁ・・・ッ!はあぁ・・・んっ!!」

 

私の喘ぎ声に興奮したのか、彼は膣口に舌を差し込んで中でくねくねと動かしてきた。

恐らく無意識のうちに、彼の男としての本能が大胆な事をさせたのかもしれない。

 

「ひあぁ・・・っ!駄目ッ・・・!そんなにされたら・・・・っ!ひッ・・・ううっ・・!ああぁぁん!!」

 

私はそのままエクスタシーに達してしまった。

童貞の彼にこんなに呆気なくイカされるなんて、正直思ってもみなかった。

多分、レイプされた時には感じなかった愛情とかそういうので興奮していた分、一人でするよりも早くイッてしまったのかもしれない。

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。」

「・・・花桜梨さん、大丈夫・・・?」

 

ぐったりとベッドの上に横たわって息をする私を見て、彼が心配そうに声をかけてくれた。

・・・本当に優しい人だと思う。こうやって彼は常に私の事を気遣ってくれる。

 

「大丈夫だよ・・・。それよりも、今度は私の番だね・・・。」

「えっ・・・、あ・・・花桜梨さん・・・。」

 

私はエクスタシー直後の虚脱感を振り払いながら身体を起こしてから彼の股間へ顔を埋めると、既に元気を取り戻しているペニスを口に含んだ。

舌先を使って竿の裏を舐め上げると、今でも充分大きいモノが口の中でますます大きく、硬くなってくる。

身体は正直だと言うが、それでも私のような女で気持ち良くなってくれる事が嬉しかった。

・・・・まだ、私のような女でも使い道はあるんだ・・・。彼は私のカラダで悦んでくれる・・・。どうせ汚れたカラダなのだから、せめて彼の為に・・・。

自分の事を嘲りながら、私はひたすらフェラチオを続けた。

 

「んッ・・・あむっ、・・・んっ、んん・・・。」

「花桜梨さん・・・!花桜梨さん・・・!」

 

私の名前を何度も呼びながら快感を堪えている彼が愛しい。

彼を気持ち良くしてあげよう、もっともっと悦ばせてあげようと必死になって舌を使った。

さっき私の手淫で一度射精したとは言え、フェラチオ初体験の彼がそれほど我慢出来るはずが無かったらしく、すぐに限界が訪れたようだ。

 

「ああっ・・・!花桜梨さん・・・!また・・・イキそうだから・・・口を離して・・・!」

「・・・・んむっ、んっ、んんっ・・・。」

 

彼の言葉を無視してフェラを続ける。

先走りの液が出てちょっと苦かったが、それでも止めようとは思わなかった。

 

「う・・・あぁ・・・!い、イクよ・・・!」

どぴゅっ、どぴゅ、どぴゅっ・・・!

 

彼は本当にぎりぎりまで我慢していたらしく、そう言った直後に口の中で射精した。

二回目とは思えない量の精液が口内を満たしていく。

・・・・これが彼の臭い・・・こんな味なんだ・・・。

溢さないように必死で彼の射精を受け止めながら、私はそんな事を考えていた。

 

「・・・ん、んんっ・・・。」

・・・・ごくん。

 

・・・結構、おいしい・・・かも・・・。

それほど躊躇いも無く口の中のものを嚥下してから、再び彼のモノを口に含む。

中に残っていた残り汁も吸い出して、それも全て飲み干した。

半萎えになったペニスを元気にしようと舌で先端の割れ目を突付いたり、亀頭の周囲を舐めていると再び彼のモノは大きくなり始めた。

・・・・すごい、もうこんなになるなんて・・・。

いくら初体験で溜まっていたとは言え、ここまで元気がいい事に驚いてしまう。

 

「・・・・そう言えば初めてだったね・・・。」

「あ、・・・うん・・・。」

「それじゃ、私の言う通りにして・・・。」

 

私は仰向けになって両脚を開くと、びしょ濡れになっている部分を彼からよく見えるような体勢をとった。

彼は食い入るようにして私を見つめている。

・・・・あぁ、そんなに見られると感じちゃう・・・。

 

「ココ・・・、このトロトロになっているところがあるでしょう・・・。まずはそこにあなたのをあてがって・・・。」

「・・・こ、こうかな・・・。」

「んっ・・・!そう・・・、そこよ・・・。あとは、思い切って奥まで突いてくれればいいわ・・・。」

「わ、分かった・・・。そ・・れっ・・・!」

 

ず・・・ずずっ・・・!ずぶぶぶぶ・・・・!

愛液で濡れそぼっていた私の秘部は彼のモノを一気に奥まで受け入れた。

熱くて・・・大きくて硬い彼のペニスが私の媚肉を押し分けて入ってくる。

・・・そうよ・・・!あなたの熱いモノが欲しかったの・・・!もっと・・・もっとよ・・・!私の身体中をあなたのでいっぱいにして欲しいの・・・!

もう何も考えないでもいいくらいに責めて欲しい・・・。快感に全てを忘れてしまうくらいにして欲しい・・・!

胎内に彼のカタチを感じる・・・。

・・・気持ちいい・・・!

 

「あぁ・・・っん!いいっ!いいのぉ・・・っ!あなたのが入ってる・・・!」

「はぁ!はぁ・・・!花桜梨さんっ!花桜梨さんの中・・・すごく気持ち良いよ・・・ッ!」

「あんッ・・!ああん!私・・・!こんなにもいやらしくて・・・汚れているけど・・・はぁぁっ・・・んッ・・・!好き・・・!好きなの・・・!」

「俺も・・・俺も好きだよ・・・!花桜梨さんのこと、大好きだ!」

 

・・・・嬉しい・・・。

必死に腰を突き動かしながら、彼は私にとって一番望んでいた返事をしてくれた。

もう彼がいなければ私はやっていけそうにない。

私が可哀相だから・・・哀れな女だと同情してくれているだけでも構わないから、傍にいて欲しい・・・。

身体を重ねるだけのコトしか出来ないとしても・・・それだけでも良かった。

 

「最高に綺麗だよ、花桜梨さん・・・。」

「んッ・・・ふぁああ・・・!んッ・・・んんっ・・・。あん!ああぁぁんっ!」

 

・・・もう何も考えられない・・・彼にずんずんと突かれる毎に中で擦れ合って・・・!

余りの快感に狂ってしまいそうなくらい私は感じていた。

猛然と腰を突きながら、渇きを癒そうとするかのように唇を重ねてくる。

私は夢中で舌を差し入れるとそのまま彼の舌に吸い付いた。

 

ちゅっ・・ちゅくっ・・・じゅるっ・・・!

「んんっ・・・ふぅぅ・・・むうっ・・・!」

「んッ・・・!はぁぁ・・・!」

 

散々お互いの舌を絡めてから唇を離すと、名残惜しむかのように私と彼の唇に光る糸がかかった。

 

じゅぷっ!ずぷっ!ずぷぷっ!

ずぶっ!ずぶっ!じゅぶぶっ!

「あん!はあんっ!・・・そんなに突いたら・・・ひああッ・・・!おかしくなっちゃうっ・・・!」

「ううっ・・・!花桜梨・・・さん・・!か・・・おり・・・さ・・・!」

 

腰の動きが一段と早まった。もう我慢の限界がすぐそこまで来ているみたいだ。

結合部からはますます愛液が溢れ出て、性器が擦れ合う卑猥な音もそのペースを上げていく。

限界が近いのは私も同じだった。

こんなに大きくて熱いペニスに何度も突かれれば、最初から異常なくらいの興奮に包まれていた私はそれだけで・・・。

 

ぱん!ぱん!ぱん!

ずちょっ!ぐぷっ!ぐぶっ!ずぶっ!

「あぁっ・・・!ふああ・・・ッ・・!駄目ぇ・・駄目ぇっ!」

「くっ・・・俺も・・・もう・・・!」

「あぅ・・っ・・・!はあぁぁ・・・っ!イクっ!イクぅぅぅっ!!」

 

頭の中で何かが弾けたかのような感覚に襲われて、今までに一人エッチの時にも感じなかったくらいの絶頂感に身体を支配される。

・・・・これが本当にイクって事なのかな・・・。

ぼんやりとする頭でそんな事を考えていると、彼も本当に限界がきたらしく私に声をかけた。

 

「花桜梨さん・・・!もう・・・駄目だ!抜くよ・・・っ!」

「・・・待って、このまま射精して・・・。」

「で・・・でも・・・!」

「お願い・・・!あなたので汚れた私の中をきれいにして欲しいの・・・!」

「・・・か、花桜梨っ!!」

どぴゅっ、どぴゅっ、どぴゅぴゅっ・・・!

 

彼は最後に私の名前を呼び捨てにして叫びながら射精してくれた。

・・・・ああっ・・・!・・・熱くて・・・すごい勢い・・・溢れちゃうかも・・・。

彼の精液が私の中に流れ込んでくる・・・。

彼のペニスがどくどくと脈打ちながら、私の膣内で射精している・・・。

精液が膣壁に当たる感触が心地良くて・・・たまらなく幸せな気持ちになるのをまどろむ意識の中で感じていた。

どれくらい眠っていたのかは覚えていないが、目を覚ますと私は彼の身体に抱かれていた。

彼は私の身体を抱いたままで眠っている。

・・・温かくて・・・気持ち良い・・・。このままいつまでも抱かれていたい・・・。

・・・たとえ・・・たとえ、それがひとときのもの・・・仮初めのものだとしても・・・・。

・・・私は・・・あなたと・・・・。

 

【交錯(告白)編・完】

<彷徨編へ続く・・・>

 

あとがき

毎度どうも、ATFでございます。

何だかストーリーが重くなってきてしまいましたが、予想通りと言うか何と言うか・・・・。(苦笑)

次回は二年目の終わりからいよいよ三年目の始め・・・桜の樹の下での告白直前へと続きます。

一応、次で完結する予定ですので、今しばらくお付き合い下さいませ・・・。

それでは、また・・・。



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