嫌いな女

 

「…花桜梨」

誰もいない、放課後の教室で俺は本人の前ではそう呼べない虚しさを抱きかかえて誰ともなしにそうつぶやいてみる。

その名前をつぶやいただけで、俺はひどく切ない思いをしなければならなかった。

最初は屋上にたたずむ彼女が気になって声をかけた程度だった。

それが…俺の高校生活をまるきり変えてしまうような出会いになるだなんて。

体育祭、修学旅行、合宿、文化祭。

彼女といるということが、俺にとってどれだけ安らぎであり、楽しみであったか。

彼女はそれに気づいてくれているのだろうか。

デートでも…思わせぶりな口ぶりで俺を悩ませる。

受験が近いって言うのに、勉強も手がつかない……。

家に帰ろう…。

しかし帰ってもきっと、花桜梨の写真を眺めて寝るまでボーっとしてしまうに違いない…。

女々しいぞ、俺!といくら自分を叱咤しても、俺の気持ちはまったく制御できなかった。

俺ってこんなに弱い人間だったんだな…。

自己嫌悪に陥りながら俺は通学に使用しているかばんを手に取った。

 

がらがらがら。

 

帰ろうとしていたところに、教室の後ろの扉が開いた。

誰か忘れ物でも取りにきたのか…。

「あ…まだ教室にいたんだ…」

「八重さん」

入ってきたのは俺の悩みの種の八重花桜梨だった。

「八重さんこそどうしたの?」

「うん、今部活終わってシャワー浴びようと思ったら、教室にタオル置き忘れちゃってて…それで取りにきたの」

「そうだったんだ…」

…彼女は言うとおり、バレー部が終わったところなのだろう。

扇情的なバレー部のユニフォーム姿のままなのだから…。

胸のラインを強調するような上のシャツ。

弾力のありそうなお尻がそのまま反映されるようなブルマ。

まるだしの真っ白な太もも、すらりと伸びた脚線美さえ感じさせる脚…。

「……」

「きゃっ!何…?」

おれは無言のまま花桜梨の腕を引っ張って自分のほうに引き寄せると、そのままかわいらしい唇を奪う。

「…んっ…!」

しばらく花桜梨の柔らかい唇の感触を味わって、ようやく花桜梨の唇から離れる。

「な…何…?」

「八重さんなんて…大っ嫌いだ。俺をこんなにも悩ませる、狂わせる…」

俺は今嫌いだと罵倒した女の唇にもう一度唇を重ねる。

そして舌を侵入させ、口の中を犯すように花桜梨の口の中を舐め尽くす。

…花桜梨は抵抗しない。抵抗しないどころか…花桜梨も俺の舌に舌をからめてくる。

「…どうして抗わないんだ、抵抗しないんだ…?」

そう聞く俺に花桜梨は瞳を潤ませてこう言った。

「…あなただから…」

「…八重さんのそんなところも大っ嫌いだ」

俺は素直じゃない返事をして、薄いユニフォームのシャツの上からボリュームのある胸をわしづかみにする。

…なんて柔らかいんだろう…。

「ん…」

キスしている唇の隙間から、花桜梨の甘い声が漏れる。

しばらくふにふにと揉みしだいていると、ユニフォームの上からでも分かるぐらいに左胸のいただきがたってきていた。

ユニフォームの上から触ってる分には少し分かりづらいが…きっとこちらも硬くなっているに違いない。

「気持ちいいの…?」

俺は花桜梨の唇をいったん離してそう聞いてみる。

「すごく…ねえ、直接触って…」

潤んだ瞳でそうおねだりする花桜梨に抗う男がいるだろうか。

俺はシャツの中に手を突っ込み、無理やりブラジャーを胸から外して再び花桜梨の胸をもみしだく。

遊んでいるほうの手が、自然と下のほうに伸びた。

ブルマに触れた瞬間、すぐ分かった。

もうしっとりと花桜梨のアソコは濡れている…。

「八重さん、もう濡れてるよ。かわいい顔してけっこうHなんだね…」

中に指を突っ込んでいたぶるようにアソコを刺激する。すぐに指は花桜梨の愛液でビチョビチョになった。

「かわいいだなんてそんな…あん!やあ…言わないで…」

そう言う花桜梨にかまわず俺は花桜梨のアソコをいたぶり、耳たぶをそっと噛む。

「あん……」

充分に花桜梨の柔らかい耳たぶを楽しんだ後、俺はその下を頬のほうに這わせる。

…舌にしょっぱく、熱い感覚が伝わってきた。

…涙…?

慌てて俺は花桜梨から少し距離を置いた。

「八重さん、泣いてる…?ほんとはこういうこと嫌だった…かな?」

すると花桜梨はゆっくりと首を横に振った。

「ううん。あなたに愛撫してもらってるなんて…まるで夢みたいで…うれしいの。うれしい涙…」

「八重さん…」

やっと、素直に愛しいと思えそうだ…。

相手の好意を確認してからじゃないと愛せないなんて…俺はやっぱり弱い人間なんだな…でもこれからはほんとに花桜梨のことを芯から愛せそうだ。

「八重さん、なんて呼ばないで。花桜梨って、呼んで…」

あなただけの、花桜梨になりたい…顔を真っ赤にして花桜梨はそうつぶやいてくれた…。

「か、花桜梨…」

初めて、本人の前で名前を呼んだ。

花桜梨はにっこり微笑んでくれると、また俺の唇に花桜梨からキスしてくれる。

そして、ズボンの上から俺のモノを手で刺激する…。

「硬くなってる…お口でさせてもらえないかな…?」

「ほんとに顔に似合わずHだね…」

「あなただから…自分を出せるの…」

「そう言ってくれるのはうれしいけどね」

ちょっと苦笑いをして俺は自分でファスナーを下ろした。

しかし花桜梨はそれを制すると、自分でズボンを下ろしてトランクスまで脱がせ…いきりたったものを躊躇なく口に含んだ。

 

ちゅぱっ・・・ちゅぱっ・・・ちゅぷっ・・・

 

「うっ…」

誰もいない教室に、花桜梨の唇から漏れる卑猥な音だけが響き渡る。

「ひもいひひ…?」

口に咥えながら声を出す花桜梨。

声の振動がチンチンに伝わってくるよ…。

「むちゃくちゃ…もう出そう…」

われながら早いなあと思ったが、好きな女をあれだけ味わってフェラまでされたら仕方ない。

出そうといっても花桜梨は竿をくちびるから放しそうにない。

「花桜梨…飲んでくれるの?」

俺がそう聞くと花桜梨は奉仕を手を抜かずに上目遣いで俺をみつめて首だけ縦に振った。

「うっ…!!」

そんなことを聞いているうちに俺はもう限界が来てしまった。

そのまま花桜梨の口の中めがけて勢いよく射精してしまう。

最初花桜梨はちゅうちゅうすいながら飲んでくれていたが…。

「けほっ…」

最後のほう、少し咳き込んで精液を口から出してしまった。

可憐な唇の端から俺の卑猥な液が漏れる…。

「ご、ごめんなさい。思ったより出たから飲み切れなかったの…」

くちびるから漏れた精液を手の甲でぬぐってぺろぺろと舐めてくれている…。

「別に謝ることじゃないよ…」

今度は、俺の番だ。

もうメスのにおいを充満させているアソコに俺はブルマの上から舌を当てる。

…ちょっとじらしたほうが花桜梨も楽しめるだろう。

「あんっ!ブルマの上からなんて…」

「花桜梨のリクエストがあればその通りにするけど…?さっきの胸みたいに」

俺は花桜梨にエッチな言葉を言わせようとわざとそう言ってやる。

もうブルマを通り越して愛液がこぼれるぐらいグチョグチョだ。体のほうも我慢が利かないだろう。

「いじわるっ!でも我慢できない…お願い、その…直接舐めてっ!」

「仰せのままに、エッチな花桜梨」

俺はいたずらっぽい笑みを浮かべて花桜梨のブルマと下着を一気にずらした。

まだまだ綺麗な花桜梨のアソコを俺は音を立ててむさぼる。指でいたぶることも忘れない。

 

ちゅ…ちゅ…くちゅくちゅ…

 

「あんっ!ああ…気持ちいいっ!」

自分でシャツの中に手を突っ込み胸を慰めながら、花桜梨はここが教室だということも忘れて叫び散らす。

「も…もう舌と指は満足…あなた自身が欲しいの…」

さっき出したところだけど、大丈夫かな…と花桜梨らしく俺を気遣ってくれる。

「大丈夫だよ、花桜梨みたいな魅力的な女のコとしてるんだもん。すぐにたってしまう」

「み、魅力的だなんてそんな…でも、それ本当?」

「もちろん。…入れるよ?」

花桜梨がこくん、と頷いたのをみて俺はさっき出したばかりなのにもう怒張をとりもどしているモノを握り、花桜梨の欲情しているところにあてがった。

「あん…」

当てただけなのに、花桜梨はもう恍惚の表情である。

あんまりじらしてやるのもかわいそうだ。

 

ツプ…

ヅブブブブブブっ!

 

びしょびしょに濡れていただけあって、花桜梨はすんなり俺のを受け入れた。

「あんっ!すごい…っ!」

入れてすぐに花桜梨の腰が動き出す。

「花桜梨…腰、動いてるよ」

「あん!あんっ!言わないで…ほんとに…ほんとに気持ちいいのっ!お願い、あなたも動かして…!」

もちろん俺も存分に花桜梨をむさぼるつもりだ。

柔らかい太ももを持ち上げて突き上げやすい体勢に花桜梨を持っていく。

そして必死に腰を動かす…!

早く…そしてときにじらすようにゆっくりと。

「あん!はあんっ…!こ、こんな快感はじめて…!あんっ!すごぉい…!!あああん!」

ユニフォーム姿によがりまくる花桜梨に、制服マニアってわけでもないのに…かつてない興奮を俺も味わっていた。

花桜梨はどんな格好でもきっと…。

「か、花桜梨…花桜梨!」

俺は無意識のうちに花桜梨の名前を連呼していた。

「あんっ!お願い、はん!嫌いだなんて…言わないで。あん!好きって、あん!愛してるっていって欲しい…!私…私もうあなた以外何もいらない!」

「俺もだよ、花桜梨以外何も…何もいらない!愛してる、何よりも!」

「う、うれしい…!あん!い…イク…イッちゃうっ…!」

激しい俺の突きと言葉の興奮もあっただろう。

「おれもイキそう…!」

「き、今日は…ああん!安全日だったとおも……あんっ!な、中に熱いのちょうだいっ!」

花桜梨はそう叫んでびくん、びくんと震えると「ああっ!!」と嬌声を上げて果ててしまった。

「出すよっ!」

花桜梨が果てるのを見届けて、俺は花桜梨の中に熱いのをたっぷりと注ぎ込んだ。

2回目とは思えないほどの精液の量だっただろう。

残り液も花桜梨の中に注いで俺は花桜梨からモノを抜いた。

「はあ…はあ…ありがとう…とっても…よかったよ…」

花桜梨はそう言うと俺に優しくキスをした。

 

学校からの帰り道。

エッチしている間に晩秋の太陽はもう沈んでしまっていた。

花桜梨はもちろん制服に着替えて濃紺のロングコートを纏っている。

「学校でエッチしちゃったね…」

話題はやっぱりそっちのほうに行ってしまう。

「誰にもばれてなかったらいいけど…」

「それは大丈夫だと思う。あの時間って誰もいないから…いつも私が部活終わって荷物取りにくるときはほんとに誰もいないもの」

「それならいいけど」

やっぱり、俺は少し不安だった。

「ねえ。学校じゃゆっくりエッチできなかったし、私の家で続きしない?」

「ゆっくりできなかったって…花桜梨あんなに…」

そう言う俺の唇をキスでふさいで花桜梨はこう言った。

「あなたは二回イッたけど、私は一回だけよ?ゆっくりしてれば私も…。魅力的な女のコは何度でも抱けるんじゃなかったの…?」

うるうる瞳でそう言う花桜梨に俺は反論できなかった。

明日は多分激しい腰痛に悩まされているだろうな…。

 

 

(終)



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